レビュー

白い丸みを帯びたマシーンにコインを入れて、ハンドルを回す。硬い手応えに力を込めて回していくと、コロコロと小さなカプセルが転がってくる。

はやる気持ちをおさえてカプセルを手に取り、中身に一喜一憂する――そんな経験は誰もが持っているだろう。
かつては取るに足らない子どものおもちゃと思われがちだった「ガチャガチャ」だが、今やその姿は多くの場所で見られるようになった。ショッピングモールには必ずと言っていいほど大規模なコーナーが設けられているし、駅の構内で見かけることもある。じっくり眺めてみると、有名キャラクターなどに混じって「いったい誰が買うのだろう?」と思うような奇妙な商品が並んでいることに気づくだろう。
実はこうしたガチャガチャは、急激に市場を拡げている成長産業だ。生活の中で見かけるようになったのも、謎に思える商品が出てきたのも、人気があるゆえの拡大と多様化なのである。
本書はこうした「ガチャガチャ」の現状と特徴を、ビジネスとして解き明かしていく。たかだか数百円のおもちゃを売るビジネスが、今の日本でなぜ急成長しているのか。身近でありながら意外にも知らないガチャガチャの「中身」を確かめてみてほしい。

本書の要点

・ガチャガチャは610億円の市場規模を誇る成長産業である。
・20代~30代の若い女性客の増加と、大量のマシーンが並ぶ専門店の登場によって大きく成長した。
・クオリティが高く、品揃えが豊かで、機械を回す体験の楽しさも魅力である。

SNSとの相性もよく、基本的に再生産されない一期一会であることも特徴だ。
・高価格化やオンライン化など変革も次々と起きており、世界進出も進みつつある。



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