レビュー

自分はダメなやつだ――。進んでそう認めたい人なんていない。

誰もが、「私だってやればできる」「いつか必ずうまくいく」と信じて生きているはずだ。しかし、著者は言う。「そのプライドこそが、あなたを成功から遠ざけている呪縛だ。成功するためにはプライドをかなぐり捨てて、降伏しなければいけない」と。
元プロ野球選手の著者は、高校卒業後に横浜ベイスターズ(現DeNA)に入団するも、6年間の現役生活のうち、打ったヒットは1本だけ。プロは、結果がすべての厳しい世界だ。2012年、戦力外通告を受けて失意のうちに引退した。
現役引退後、著者はプログラミングやコーディングを学んで野球の試合映像からデータを抽出するシステムをつくり、データアナリストになった。本格的にビジネスの世界に進みたいと思うようになった著者は経営コンサルタントに転身し、現在は、企業の経営幹部に向けたコーチングの分野で活躍している。多くの成功者たちと交流するなかで著者は、なぜ自分がプロ野球の世界で通用しなかったのか、一流の人たちは一般人と何が違うのかが少しずつわかり始めたという。
この“成功のための法則”を、「降伏」というキーワードでまとめたのが本書である。何をしてもうまくいかない、一生懸命やっているのに結果が出ない、変わりたいのに変われないと悩んでいる人に、おすすめしたい。

本書の要点

・「一生懸命やれば、必ず報われる」という考えは幻想だ。結果を出すためには幻想を捨て、「自分はこんなものだ」と降伏しないといけない。
・結果を出すために大事なのは、考えないことだ。考えると自分のこれまでの思考が入り込んで、自己変革のための行動を妨げてしまう。
・ゴールまでのプロセスを明確にすることも、成果を上げるために重要である。とにかく大量に行動し、自己流をやめよう。
・言葉を変えると、見える世界が変わる。「難しい」「~と思う」「~してもいいですか?」などの表現は、いますぐ使うのをやめるべきだ。



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