レビュー
山口県宇部市にある宇部中央銀天街。1970年代は賑わっていた商店街は、衰退の一途を辿っていった。
稀代の経営者である柳井正氏は、内気で無気力な青年だったという。父の後を継ぎ「ユニクロ」という金の鉱脈をつかむまで、知られざる暗黒時代を過ごしていた。そんな柳井氏のもとで、どうやってユニクロは生まれたのか。その謎をひもといていくのが本書だ。
製造小売業(SPA)への挑戦。東京進出とフリースブーム。新たに集う才能と、古参社員との別れ。苦戦を強いられた海外進出。ブラック企業批判。そして、情報製造小売業への進化。
ユニクロは国内外で存在感を高めながらも、社会から糾弾されるような矛盾と直面してきた。その引き算からユニクロはどう這い上がってきたのか。
著者の丹念な取材と調査によって浮かび上がってきた柳井氏とその同志たちの奮闘の物語。その軌跡を辿ることで、私たちも、身近なところに潜む「希望」に気づけるのではないだろうか。迫真のノンフィクションをお楽しみいただきたい。
本書の要点
・柳井正氏は、23歳で宇部商店街の紳士服店を継ぐことを決めた。「暗黒の10年間」を経て、「金の鉱脈」と呼べるユニクロの発明に至った。
・製造小売業(SPA)のビジネスモデルに出合った柳井氏は、世界一のアパレルブランドをめざすようになる。
・ユニクロ世界進出の巻き返しの一歩が、潘寧氏が率いた香港での出店である。一方で、ユニクロはブラック企業と批判され、大きな矛盾と向き合うこととなる。
フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。