レビュー

「取引先と会食することになったから、セッティングをよろしく」と言われたら、あなたはどう思うだろうか。面倒なことになった、できればやりたくない、というのが本音ではないだろうか。

しかし、本書の著者はこう指摘する。ビジネス会食の設定は、ビジネスの「基礎中の基礎」であり、同時に、あなたの「創造力」を発揮できる、最高にエキサイティングなビジネスシーンである、と。
著者は、自らのキャリアを会食によって切り拓いてきた。かつては「ポンコツ」であったそうだが、一念発起して会食を極めた結果、社内外から信頼を勝ち取り、転職後には会食をしたことのある人から仕事をもらうまでになった。会社という看板を失った後でも一緒に仕事をしたいと思ってもらえるまでの強固な信頼関係を築くことができたのは、著者が独自に編み出した「会食メソッド」のおかげであるという。
本書で余すところなく紹介されるこのメソッドは、会食を成功に導くための具体的な行動指針を示している。会食初心者はこのメソッドをまるごと真似するだけで、一気に会食準備のレベルを上げることができるだろう。著者の入念な会食準備の根幹には相手を思いやる「想像力」がある。徹底した相手ファーストの配慮、段取り力や臨機応変な対応など、ビジネスパーソンとして身につけたいスキルが会食準備には詰まっている。会食メソッドを学びながら、ビジネスパーソンとしての必須の基礎スキルにも磨きをかけられることだろう。

本書の要点

・ビジネス会食の本質は「自分がクライアントをどれほど大切にしているかを伝えること」であり、その意味で「相手に対して徹底的な貸しを作る」ものである接待とは別物だとしている。
・会食当日までには11個のフローがあり、中でも重要なのが「④選定基準書の作成と上司との合意」である。


・会食当日は、序盤は「聞き役」に徹し、中盤では相手の懐に入り込んでいき、終盤では「情熱」を語ると良い。



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