レビュー

「あなたの前に3人の村人がいる。1人は天使、1人は悪魔、1人は人間だ。

天使は必ず真実を言い、悪魔は必ず嘘をつき、人間はランダムに真実や嘘を言う。3人はそれぞれ次のように言った。『私は天使ではない』…」
こんなふうに始まる問題を見たことはあるだろうか。オーソドックスな論理クイズのひとつだ。
これは有名な問題なので、インターネットで調べればすぐに解き方にアクセスすることができる。しかし、この問題を、実際に、自分の頭を使ってきちんと考えてみたことはあるだろうか。
本書はこうした「論理パズル」や「論理クイズ」とも呼ばれる「論理的思考問題」を集めたものだ。論理的思考問題とは、特別な知識を必要とせず、論理的に考えれば答えが導ける問題を指す。冒頭の問題も、問題文を読んで理解することさえできれば、誰でも答えにたどりつくことができる。
現代は、インスタントな「正解」がそこらじゅうに転がっている時代だと著者は語る。「正解」までの道のりが圧縮され、インターネットやAIの力を借りればすぐに「正解」にたどりつくことができる。しかし、こんな時代だからこそ、誰かが示した解決策に飛びつかずに、自分で考える力が重要なのだという。

本書は著者が収集した古今東西の名作問題が収録されている。はじめは自力で解けなくてもいい。解説を読んでもいいので、自分で考えてみることが大切なのだというのが著者の意見だ。
まずは、かまえずに気軽に問題に取り組んでみてほしい。気づけば論理的思考問題のとりこになっているだろう。

本書の要点

・「論理的思考問題」は、特別な知識を必要とせず、論理的に考えれば答えが導ける問題である。
・「論理的思考問題」に取り組むことで、直面したことのない複雑な問題に対して、直感で判断せず、状況を冷静に分析して論理的に正しい判断を導く、「考える力」を身につけることができる。
・はじめは自力で問題が解けないかもしれない。解説を読んでもいいので、考え方の道筋を身につけることが大切だ。問題をシンプルに考える力は、いかなる時代においても自分を支えてくれる財産となる。



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