レビュー

朝、目が覚めたらまずはメールとSNSをチェック。ベッドを出たらアプリでラジオをつけて、ニュースを流しながら身支度を整える。

通勤電車では小説を読み、駅からオフィスまでの徒歩8分は英語のポッドキャストを聞く。スマホ片手にランチを済ませ、帰宅後はテレビを横目に夕飯の支度。バスタイムは湯船のなかでドラマを観てリラックス――。実はこれ、要約者の友人の実生活だ。現代社会に生きる忙しいビジネスパーソンは、限られた時間のなかにできるだけ多くの情報を詰め込もうとしている。
問題は、私たちが情報の海で溺れそうになっていることだ。マインドフルネス、ヨガや瞑想、「何もしない時間」が盛んに提唱されていることからも、いかに多くの人が情報によって翻弄され、消耗しているかがわかるだろう。
本書は、ベストセラー『トヨタの会議は30分』でも知られる戦略コンサルタントの著者が、「いかに情報を捨てるか」を説いた一冊である。
「情報」と聞いてまずイメージするのは、テレビやSNS、本など、各種メディアから受け取る情報だろう。著者はそこから一歩踏み込んで、「何かを判断し、行動する際に参照するもの」 すべてが情報であると定義する。つまり、周囲の人とのコミュニケーションや自分自身の感情までもが情報なのだ。
想像してみてほしい。
こうした情報のうち、本当は要らないものをきれいさっぱり捨てることができたら、世界はどんなにシンプルでクリアになるだろうか――。ムダなく成果を出す働き方と、迷いのない自由な生き方を手に入れたい人は、是非本書を読まれたい。

本書の要点

・仕事を早くこなすためには、テキストベースのコミュニケーションに依存しないこと、すべてのメッセージに即レスしないことが重要だ。
・人間関係で疲弊しないために、違和感を抱くコミュニティからは離れるべきだ。自分を実力以上に見せようとする虚栄心も捨てよう。
・ニュース番組ではコメンテーターの発言を無視し事実だけをキャッチする。自分で全部覚えようとするのではなく他人を頼る。こうすることで、脳にかかるストレスを軽減できる。
・他人の意見にも自分の考えにも5回「なぜ?」と聞くことで、思考がクリアになる。



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