レビュー

なぜ、優秀な人材が採用できないのか――。『世界標準の採用』は、グーグルを起点に広がった「採用革命」の本質を解き明かし、日本企業がとるべき「逆転のシナリオ」を提示する一冊である。


著者は、世界最高峰の外資系ヘッドハンティング会社で、5000人以上のエグゼクティブを見てきた「トップマネジメントの目利き」だ。前著『人を選ぶ技術』では、才能を見抜くためのフレームワークやメソッドを体系化し、大きな注目を集めた。その後、読者からは「そもそも優秀な人を採れそうにない」「自社には採用方針や体制が整っていない」といった切実な声が寄せられたという。
そうした現状を受け、本書が挑むのは、日本企業の採用システムそのものを見直し、世界標準とのギャップをどう埋めていくかというテーマである。「会社の採用活動をよくしたければ、これ一冊でいい」と言われる決定版を目指して執筆された。
構成は三部仕立てで、まず「世界の採用革命」を概観し、日本企業の課題を浮き彫りにする。次に、その課題をどう克服するか、新たな採用システムの仕組みとノウハウを解説する。最後に、日本独自の採用革新に向けて、人材の「伸びしろ(ポテンシャル)」を見抜くための「ポテンシャル・モデル」を提示する。500ページを超える大著だが、著者の鋭い洞察と人の本質に迫る描写に引き込まれ、一気に読み進められる。
経営層や人事担当者はもちろん、よりよい採用を目指すすべての方にとって、本書は新たな地平を切り拓く「羅針盤」になるはずだ。

本書の要点

・グーグルが導入した革新的な採用手法が世界に広まり、「グーグルモデル」として採用の常識を塗り替えた。
・世界標準の採用を支える5つのシステムは、「TAシステム」「探索システム」「面接官育成システム」「エンゲージ・システム」「ホリスティック・システム」から成る。


・著者は人材の「伸びしろ」に着目した独自のポテンシャル評価を提唱し、その中核は4つの因子にある。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ