レビュー

株の値動きに一喜一憂してはいないだろうか。
2024年の新NISAスタートを皮切りに、個人投資家が急増した。

投資経験のない一般層にも資産運用への関心が高まり、投資信託や株式投資を始める動きが広がった。
その1年の株の値動きは、まるで「ビギナーズラック」のようであった。2月には約35年ぶりに日経平均株価が最高値を更新し、7月に記録はさらに伸長。また、生成AIの本格的な普及にともない、AI関連株に熱視線が注がれ、そうした期待に応えるかのように株価も上昇していった。
しかしその後、トランプ政権による不安定な関税政策の影響で、株価は急落。一時は3万1000円台にまで落ち込んだ。この状況に、新米投資家の不安は募るばかりだろう。売ろうか、売るまいか、もう少し待つべきか――。
本書はこうした不安の解消に役立つ一冊だ。歴史を紐解くと、株価暴落は何度も繰り返されてきた。2000年以降に限って言えば、2年に1度のペースで起きているという。しかし長期的に見ると、暴落とリバウンドを繰り返しながら、じわじわと上昇し続けているのだ。

本書では、戦後の日本市場で起きた数々の暴落を分析し、その原因とプロセス、その後の展開について解説している。著者が強調するのは「暴落は10倍株の起点になり得る」ということだ。実際、最安値から10倍に到達した銘柄は、かなりの数に上る。
今後も暴落は必ず起きる。この機会に株価暴落について知っておけば、転ばぬ先の杖となるはずだ。

本書の要点

・歴史上、株価暴落は何度も起きてきた。だが長期的に見ると、暴落しても必ずもとに戻っている。暴落買いにはリスクもあるが、「10倍株」の起点になる可能性も高い。
・戦後最大の大暴落である「ブラックマンデー」は、為替変動が背景にあったとされている。
・「リーマンショック」は短期間に6回もの暴落を記録した。
・暴落時の最安値を起点に10倍株を狙う「はっしゃん式スロートレード法」は、(1)買い、(2)長期保有、(3)損切り、(4)利益確定のステップで行う。



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