レビュー

ほったらかしはいいことか。
答えはイエスだ。

ただし、それが戦略的であるならば。
本書は子育てに「ほったらかし」の取り入れを推奨しているが、それは単に「子どもにすべて任せればいい」という意味ではない。「戦略的ほったらかし教育」とは、子どもが自然に学びたくなる家庭環境をつくったうえで、子どもを放任することだ。
なぜこれが重要なのか。それは、子どもの未来は予測が難しく、どんな課題が降りかかるか誰にもわからないからだ。不確実な未来を生き抜くには、子ども自身が課題を乗り越える力を持っておく必要がある。そんな子どもの、自ら学ぶ姿勢を養うのが「戦略的ほったらかし教育」なのだ。
著者は家庭教育コンサルタントとして7000人以上の保護者と接し、自身も3人の子どもを育ててきた。3人とも自分の興味に沿って、海外の大学に通ったり、予備校なしで慶應義塾大学に入学したり、多様な活動に飛び込んだりと、楽しくチャレンジを続けている。3人がそれぞれの興味を追求するようになった背景には、「戦略的ほったらかし教育」がある。
本書には、子どもが自ら挑戦を続け、未来へ羽ばたくための情報が詰まっている。そこでは子どもだけでなく、親が安定した心身でいられることも大切な要素として挙げられている。
子どものためだからと、必要以上に悩み苦しんで子育てをする必要はない。親と子が一緒に楽しみながら探究していく、それが「戦略的ほったらかし教育」なのだ。

本書の要点

・戦略的ほったらかし教育とは、子どもが学びたくなる環境を整備し、そのうえで放任することを指す。その目的は、子どもが自分で問題を解決する力をつけることにある。
・子どもにとっては生活のあらゆるものが学びの機会になる。そこで、戦略的ほったらかし教育では日常のあらゆる場面に、子どもが学習できるような仕掛けを施していくのだ。
・戦略的ほったらかし教育では「内発的な動機」を重視する。しっかりとその土台を整えておけば、子どもは自ら学んで成長していくからだ。



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