レビュー

「自分には知識と教養が足りない。学生時代にもっと勉強しておけばよかった……。

今から挽回するには、どうすればいいだろう」――そんな悩みを抱える人に、本書は大きな気づきを与えてくれる。
「本を読む人はうまくいく」と聞けば、多くの人が「そんなことはわかっている」と思うかもしれない。だが、その理由を明確に語れる人も、読書を“自己投資”として習慣化している人も、実際にはそれほど多くはない。
本書では、著者の長倉顕太氏が、読書の効能や習慣化のための実践的な工夫、良書の選び方などを徹底的に解説している。
長倉氏は28歳で出版業界に入り、編集者として10年間で数々のベストセラーを世に送り出した。独立後はホノルルやサンフランシスコに拠点を構え、個人・法人向けにコンテンツやマーケティング支援を展開。自著にも『移動する人はうまくいく』などのヒット作がある。
そんな長倉氏自身も、読書によって人生を変えたひとりである。あるとき出会った1冊の本をきっかけにアメリカへ渡り、その経験が後の仕事に大きな影響を与えたという。本書の中で「自分の能力の100倍の年収を稼いでいると思っている」と語り、それは本のおかげだと断言している。
「読書をすればするほど、リターンが蓄積されていく」「読むか読まないかで、人生に圧倒的な差がつく」――この言葉にドキッとした人は、本書を手に取るべきだ。読み終える頃には、変化の激しい時代を生き抜くための確かなヒントと、次に読みたい一冊を探す自分に出会っているだろう。

本書の要点

・膨大な時間と労力をかけて生み出される本を読むことは、100%以上のリターンが期待できる投資である。
・現代において人生を左右するのは、「環境適応能力」である。この力は、読書によって他者の人生や思考プロセスを疑似体験することで鍛えられる。
・人生100年時代に不可欠とされる「社会関係資本」を充実させるには、読書が極めて有効だ。幅広い知識を持つ人は、情報提供者として重宝され、良質な人間関係を築くことができる。



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