レビュー
現代人の朝は、とにかく慌ただしい。ギリギリまで寝て、急いで身だしなみを整え、朝食も食べずに仕事に向かう。
本書は、曹洞宗の僧侶であり庭園デザイナーでもある枡野俊明師が、朝の時間の大切さとその活かし方について解説している。朝の時間が人生にどれほどの影響を与えるのかを存分に知らしめてくれる。特に印象的だったのは「朝の10分は夜の1時間に匹敵する」という考え方だ。これを念頭に30分早起きするだけで、心身ともに最高のコンディションとなる朝の時間を活用できる。そうした一日の積み重ねで、人生まで大きく変わっていくのだ。
また、ただ理念を説くだけでなく、心身の調え方が著者の具体的な経験から豊富に紹介されている。掃除、食事、片づけ、坐禅など、どれも30分の早起きで、誰もがすぐにでも実践できる。
本書の大きな魅力は、古来の日本文化に根づく「禅」の考え方についても学べるところにもある。「自分と向き合う」「執着から離れる」といった教えが随所にちりばめられており、朝活の範疇を超えて人生全般に活かせる知恵まで吸収できる。
本書の要点
・朝は心身ともに最高のコンディションでいられるタイミングであり、その貴重なタイミングをうまく活かせるかどうかで人生が変わる。
・朝の行動は内面のみならず、外見にも大きな影響を与える。
・掃除、坐禅、食事、散歩などに禅の考え方を取り入れ、朝の習慣とすることで、一日が充実したものになる。
・考え方にも禅的発想を取り入れることで、マイナスをプラスに転じ、朝の清々しい気持ちのまま一日を過ごせるようになる。
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