アタランタが米国資本のクラブとなった。2月19日、クラブ株式の47.5%をアメリカ人資本家のステファン・パリュウカ氏が獲得すると発表。
一方で、現体制の経営は維持される。今日までクラブの経営権を握ってきたペルカッシ家は、引き続き39%の株式を保持。アントニオ・ペルカッシ会長は引き続き会長職として、また実子のルカ・ペルカッシ会長はCEOとしてクラブの運営に携わる。パリュウカ氏は肩書き上、共同チェアマンとしてクラブの組織図に名を連ねることとなった。
なお、これでアタランタはミラン、ローマ、フィオレンティーナ、ジェノア、スペツィア、ベネツィアに次いで7つ目の米国資本クラブとなった。
チェルシーの経営権にも関心?
パリュウカ氏はボストンに本社を置く投資ファンド『ベインキャピタル』社の共同会長を努めており、NBAボストン・セルティックスの共同オーナーになっている。ペルカッシ会長は「この10年間で、我われはおそらく地方クラブとして誰も予想していなかった結果を残した。今後には大きな戦いが待っているのだから、これだけ高名な資本家とパートナーシップが組めるなら成長を進めない理由はないと考えた」と説明している。なお、アタランタは6期連続で黒字決済を計上しており、経営危機にあったわけではなかった。
しかし一方、この買収にあたってパリュウカ氏は異例のコメントを発表。
パリュウカ氏は、売却が噂される英プレミアリーグのチェルシーの経営権獲得について興味を示していることを明らかにしており、イタリアでは「もうアタランタに飽きた」「クラブの株式のいくらかを早速手放す恐れもある」などと報道されていた。
仮にパリュウカ氏がチェルシーの買収へと駒を進めた場合、共同オーナーのクラブ同士の対戦を禁じたUEFAの規定に接触するケースも生じる。「アタランタがCLに進めばどちらかが参戦を断念しなければならない羽目になる(『ラ・レプッブリカ』)」と地元紙では懸念が示されている。
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