リアルな体験談や心境をポップに時にダークに伝えていく『全力! 女芸人小出真保の婚活ダイアリー』。

大失恋しました
大号泣の日々を送りながら、私はマッチングアプリを再びインストール。ズタボロになった心のまま出戻りマッチングアプリをするなかマッチングしたのは、年下の超大手車の会社に勤める六本木男子でした。

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■出戻りマッチングアプリスタート

大失恋の数日後に、私は40歳を迎えてしまいました。前に進むしかない。胸が張り裂けそうですが、少しでも気分が上がるマッチングアプリをやろうと開いたのは、ハイスペックが集っているで有名な審査制のマッチングアプリTK。えびおよりハイスペの男を探して、アイツを見返してやる…! 何しろ私はこのアプリに合格した女よ! 逃した魚はデカかったのだ! と、怒りを込めて再開することにしました。

さっそくマッチングしたのは、年下で六本木にある超大手車の会社に勤める男性でした。
マッチングした直後は、どうせ激務のハイスペだからマッチしただけで流れるだろうと思ったのに「まほさん、はじめまして。よろしくお願いいたします、お時間ありましたら、ぜひ一度お会いしたいなと思います」。懐かしい、この感じ。あの楽しかったマッチングの日々が少し蘇ってくる。

「六本木などいかがでしょうか? 近々お会いできますか?」グイグイくる彼。私は大失恋中、どんどん人に会わないとまた布団にくるまって号泣してしまう。
予定を詰め込まないと襲ってくる不安。それに打ち勝つには、新しい人に出会うことしか道はない。

私も負けずにグイグイと行きました。「明日はどうですか?」即、日程時間が決まりました。テンポが合う人は気持ちいい。LINEを何時間も放置するえびおくんより、ずっと、楽だし、見習ってほしい、これがハイスペ男なんだよ。


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■デジャヴ割り勘

六本木のどんな良いお店に連れて行ってくれるんだろう? マッチングアプリTKだもん、期待大♡と、ワクワクしていました。が、今は時代が変わっていることを忘れていました。彼らは稼いでいるからこそ、高いお店を指定しないのです。それは「飯活女」を避けるため。

会う当日「カフェSでよいですか?」と、メッセージが来ました。カフェSか…。好きだけど、なんかデジャヴ。
確信しました。これは、絶対に、割り勘だ。指定された六本木の某ビルのカフェSに少し迷いながら辿り着いた頃には、すでに彼は到着し席を取ってくれていました。

「初めまして」と言う彼は、スーツ姿でサッパリとした賢そうなお顔。いかにもハイスペという感じ。「僕、もう買ったので。
レジあっちですよ」。やはりデジャヴでした。以前、初めてこのアプリを使ったときはカフェBを指定され、割り勘。頑なに僕は絶対に奢らないぞという雰囲気を出されました。全く同じです。このアプリで流行っている初回デートなのでしょうか。


別にいいやと、飲み物を注文し、待っている間に彼はお水を運んで用意してくれていました。気がきくなぁと嬉しく思いました、失恋の心を癒してもらえるかのようで。

■見たことある目

会話は、ごくごく普通の自己紹介。職場はこのビルの上とのこと。ここのビルには超大手車の会社の本社が入ってることが判明。凄い、本当にハイスペだ。めちゃくちゃ稼いでいるだろうな。でも、なぜこんな人が私とマッチング?

「見たことあるなぁと思って」。そうでした、私はこのマッチングアプリでは一応芸能人マークがついていました。気づかれてなんぼの世界なので嬉しいといえば嬉しいのですが、あまりお笑いや芸能人の話とかはしたくないという複雑な気持ちにもなります。

「芸人さん、尊敬してます」と、彼。これを言ってくれる人はけっこう多くていつもありがたいなぁと感じます。彼は続けて「前の彼女、このアプリで出来まして…最近別れてしまったのですが」と。じゃあ私と同じく、失恋したてってことだ。

「私もです」。状況が同じとなれば、お互いの人付き合いの難しさや、どうして上手くいかなかったのか、そんな話に展開しました。彼は「すごく、お金かかる子で…」。ああ、だから割り勘なのね、と納得。

「体の相性もあんまりだったし」…ギクっとしました。これ…マッチングアプリTでマッチングしたカジュアル男たちがよく言ってた。「体の相性」というワード。これを出す人は=ヤリモク。というデータが私の中で出ています。よく見ると、この彼の目…これまで何度も見たことがある目をしています。またデジャヴ。あれだ、カジュアル男たちによく見られる、感情のない目…。久しぶり…。そして、彼は提案してきました。

「合コンとか、したいですね。芸人さんとかタレントさんとか、まほさんお友達多そうだし、こちらも集めますし」。え…マッチングアプリで今わざわざ1対1で話しているのに? でも、それもアリなのか? たしかにマッチングしただけで終了するよりは幅広く出会いを求めたほうが、もしかしたら良い人に会えるかもしれない。それも新しいと感じました。この時は。

「アリですね」と適当に返事をし、40分くらいで解散となりました。

■ LINEで大説教

帰り道、私はなんか引っかかっていました。「体の相性」というワードとあの目。そして、超ハイスペなのに私とマッチング。何かがおかしい…。デートして数日後、彼からLINEが来ていました。「本当に合コンしましょう、こちらも集めます」…どうやら本気らしい。めちゃくちゃめんどくさいなと感じていました。私は合コンはほぼしたことがなくて、あまり大勢は好きではなく、いざやるとなると腰が重く感じます。やっぱりマンツーマン派です。が「アリですね」って言っちゃったしなぁ…「独身の女芸人集めます」と返事しました。

すると、返ってきたLINEに、私は、なんとブチギレ、説教してしまいました。あんな長文のLINE、怖かっただろうなぁ。「芸人さんでもいいのですが、若手の人たちとかはどうですか?」。彼から来たLINEにすぐ引っかかりました。若手? なんで? つまりこういうことでした。「20代とか、若い人たちをお願いします」。

この文字を見てからキレるまで、ほんの数秒でした。私は40歳でフラれ、精神的にかなり弱っています。年齢のことは私の地雷です。以下、私が送ったLINEです。

「すみません、この話はなかったことにしましょう。20代でお願いしますなんて正直、私はすごく不愉快になりました。確かに若い人が良いという気持ちはわかりますが、おばさん芸人だってがんばっていますし、誰よりも心も綺麗で魅力的ですよ。

なにも知らないのに年齢を指定してくるような人には紹介できません、人をそういう見方しているといつか自分に返ってきますよ、本当に嫌な気持ちになりました。

先日はお忙しい中ありがとうございました。また機会がありましたら、宜しくお願い致します」

最後は、オーディションの不合格通知のような文章を書いてブロックして削除してしまいました。私の出戻りマッチングアプリは、ブチギレスタートとなりました。前途多難。それでも、進むしかありません。「いいね」をいただいている限り、ありがたく受け入れていくのです。えびお超えを目指して。

今回はたまたまだったと言い聞かせ、懲りずにこのマッチングアプリTKを使い続けていると、マッチングしました、今度はサイコパスな目をしていない! ですが、また同じような状況の人を引き寄せた? その彼も大失恋経験。しかも、どうやら立ち直っていない様子でした。やっぱり、みんな、そんなすぐには次にいけないよね…続く!

◆こいでまほ

太田プロ所属のものまねタレント。フジテレビ系で放送の『 ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』で優勝経験あり。
aiko、優香、泉ピン子などものまねネタ多数。近年はナレーションなどの活動も積極的に行っている。

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