【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】
ドジャースの大谷翔平選手の通訳を務めていた水原一平氏(39)の違法賭博問題が大騒動となって、連日、関連記事が報道されている。
僕のところにもいくつかマスコミから問い合わせがあり、芸能界のギャンブル好きや、ギャンブルにまつわるトラブルについてコメントを求められた。
芸能界でいえば、徳光和夫アナウンサー(83)はこれまで10億円以上をギャンブルにつぎ込んだと言われ、坂上忍(56)は年末にその年に稼いだギャラを投じると公言している。
予備校講師の林修氏(58)もパチンコや競馬で大きな借金をした経験を語っていた。
とはいえ、彼らは自己責任の範囲でやり、話のネタにもしている。
一方、僕は、辺見えみりの母で大ヒット曲を持つ辺見マリ(73)のことを思い出す。一時期、霊能者の「拝み屋」を信奉し、一緒にマカオに行ってカジノでお金を使いまくり、多額の借金をつくった。娘えみりのデビューが決まると、娘の事務所からも給与を前借りし、それを知った娘が10代ながら弟と共に家を出て自ら生計を立てて暮らすようになったほど。
もうひとつ賭博問題の取材で印象に残っているのが、「8時だョ!全員集合」で全盛期だったザ・ドリフターズだ。競馬のノミ行為容疑、メンバーの志村けんさん、仲本工事さん(共に故人)が書類送検された時の記者会見。志村さんと仲本さんはひたすら謝るしかなかったが、フジテレビの女性リポーターの質問が特に手厳しかった。
「あなた方、馬券を頼む時に、(番組を)見てくれている子供たちの顔は思い浮かばなかったんですか!」
ふたりは非常に困った顔で黙り込んでいた。
僕は隣にいた記者に「馬券のことを考えていて、そんなこと浮かぶわけないよな」と軽口を叩いた覚えがある。
■「お金、賭けてますよね?」の問いにどう答えるか
また、1998年に漫画家でタレントの蛭子能収(76)が新宿・歌舞伎町の麻雀店で逮捕された。
結果的に蛭子はそのことを尋ねることなく取材は終了したのだが、ひたすら謝る蛭子より、こちら伝える側の“姿勢”のことが記憶に残っている。
もちろん、違法カジノや金銭トラブルだけは困りものだが。
(城下尊之/芸能ジャーナリスト)