人気総合格闘家は納車1カ月、4760万円のフェラーリを街路灯や街路樹などにぶつけ、路上に放置したまま「とんずら」していた。


 高級自動車フェラーリを運転中、物損事故を起こしながら、そのまま現場から立ち去ったとして、警視庁世田谷署は31日、道交法違反(当て逃げなど)の疑いで総合格闘家の皇治(35)を書類送検した。


 昨年12月下旬の午前3時半ごろ、東京都世田谷区世田谷の片側1車線の道路で運転していたフェラーリ初の4ドア4シーターのSUV「プロサングエ」を街路灯や街路樹にぶつけ、フロント部分が大破した。現場は自身が代表を務めるスポーツジム運営会社の事務所の近くだった。


 世田谷署によると、同乗者はおらず、本人にケガはなかった。放置されたフェラーリが皇治が経営するジム運営会社の名義だったことから、関与が浮上した。皇治は総合格闘技イベント「RIZIN」に出場しているほか、出身地である大阪府池田市のスポーツ親善大使を務めている。


■「レッカー移動をしてもらおうと電話したが…」


 任意の調べに「スタッフにレッカー移動をしてもらおうと電話したが、通じなかったので立ち去った。ハンドル操作を誤った」という趣旨の話をしているそうだが、なぜスタッフには電話をして警察に知らせなかったのか。


 ジム運営会社はXで<事故当時、車両は自走不能となり、本人はすぐに複数のスタッフに連絡を試みたが、連絡がつかない状況が続き、また保険会社の連絡先もその場で把握できなかったため、保険会社の連絡先が事務所にあると考え、車両を現場に残して事務所へ移動した>としたうえで、<飲酒、薬物検査を含む必要なすべての手続きに協力し、いずれの検査においても問題は確認されていない>とコメントした。


 事故直後、現場で片付けをした近隣住民がこう証言する。


「たまたま朝早く現場を通りがかったら、ちょうど警察官が事故処理をしていました。車はフロント部分がつぶれ、自走できる状態ではなく、レッカー移動されていた。イチョウの木は幹がはがれ、街灯は曲がっていた。

飛び散った破片の中には、2024年5月17日生産と記載されたパーツもあった。事故を目撃した人に話を聞きましたが、男性だけがその場から離れ、1人の女性が、呆然と立ち尽くしていたそうです」


 皇治は事故の約1カ月前の11月30日、納車されたばかりの愛車をインスタグラムで公開。


<こんなボンクラの俺が格闘技でこんな車乗れるようになる>とつづり、ユーチューブ番組では<これはエグいわ>と興奮気味に語り、<こだわってんねん>という内装はすべてオーダーで<ざっと7000万円>かかったという。


 国内に40台しかない希少車を手に入れられた理由について<カリスマ枠><皇治枠>と説明していた。


 そんな「特別枠」がなければ購入できない自慢の愛車を、なぜ置き去りにしたのか、なぜ警察に届け出なかったのか。


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