3月31日、元SMAP中居正広氏の女性トラブルをめぐる問題について、フジテレビとフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が第三者委員会の調査報告書を公表した。報告書によると、フジテレビの業務の延長線上のものと認定されたのが、中居氏による女性Aさんへの性暴力。
Aさんは元フジテレビアナウンサーで入社後、数年で退社したとされ、中居氏宅での2人きりの飲み会で性暴力を受けるに至るまでの過程が克明に記されている。
400ページ弱にわたる報告書に頻出しているのが、タレントU氏に関する記述で、“U氏はいったい誰なのか”などさまざまな臆測を呼んでいる。報告書のU氏に関する記述は次の通りだ(《》内は調査報告書から)。
《B氏は、2021年11月頃、タレントU氏及び中居氏とともに、外資系ホテルαのスイートルームでの会合(以下「スイートルームの会」という)の開催を企画していた》
38万円ほどの費用をフジで経費精算したとされる外資系ホテルでの飲み会は、U氏が同局元編成部長のB氏と中居氏と一緒に企画。きっかけはU氏の一言だったという。
《タレントU氏より、最近仕事に対するモチベーションが上がらない、コロナであまり飲みに行けていないため、楽しい飲み会がしたいなどという話があったところ、B氏らとしては、企画中の番組を成功させたいという思いや、それに向けてタレントU氏のモチベーションを上げたいという思いがあり、中居氏も飲み会開催に同調したことから、開催することになった》
《開催場所については、当時コロナ禍にあったことから、飲食店等で宴会を開催していることが公になると非難される可能性もあるということで、タレントU氏からB氏に対して都内の外資系ホテルαのスイートルームの提案があった》
■スイートルームの会でU氏の芸能界引退が話題に
報告書にはこう記述されている。そこにB氏によって招集されたうちの1人がAさんだったという。スイートルーム飲み会には、中居氏やU氏、B氏、Aさんのほか、女性アナウンサーQ氏、R氏、S氏、B氏の部下i氏やj氏、j氏の後輩女性k氏が参加。その飲み会で、U氏は芸能界からの引退を考えているということが話題になったとのこと。
驚くべきは飲み会当日の22時ごろ、中居氏からB氏らスタッフに対して退出を促す働きかけがあったことだ。女性アナウンサーQ氏、R氏を部屋に残し、中居氏とU氏で男女2対2に仕向けられたことに対して、i氏やj氏は「何なんすかね、あれ」と文句を言い合ったという。
また、22年1月17日、B氏は番組収録終わりにAさんを誘い、断られた焼き肉店での会食にも、U氏は参加している。
第三者委員会が調査を行う際、外資系ホテルのスイートルームでの飲み会の参加者にヒアリングを実施し、U氏にも書面でのヒアリングへの協力を求めている。しかし、報告書の次の記述の通り、U氏へのヒアリングは実現していない。
《参加者のうちタレントU氏については、当委員会から書面でヒアリングへの協力を要請したところ、タレントU氏代理人弁護士から、ヒアリングを受けた事実がCXに伝わると、情報漏えいのリスクがある、タレントU氏と特定された場合には当委員会が責任を負う旨を保証してほしいなどの意向が示された。これに対し当委員会は、匿名表記によりプライバシーを尊重するが、インターネットや報道等により特定される可能性があり、当委員会は保証できない旨を伝えて再度協力要請したところ、タレントU氏代理人弁護士から当委員会による保証がない限りヒアリングには応じないとして折り合えなかったことから、当委員会はタレントU氏へのヒアリングが実施できなかった》
中居氏のトラブルに直接関与していないが、B氏や中居氏と関係が深いU氏は、この報告書に何を思うだろうか。
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