TBSの「放送事故」の余波が続いている。3月29日の特番「オールスター感謝祭2025春」の「赤坂5丁目! マーメイドチャレンジ」のコーナーで、芸人の江頭2:50(59)が「コンプライアンス、ぶっ潰すぜ」などと叫んで女優の永野芽郁(25)を追いかけ回し、永野が涙ぐみ、退席する場面が生放送されて以降、ネットで賛否両論が飛び交う論争となり、江頭はYouTubeチャンネル「エガちゃんねる」で謝罪。
続いて永野も4月1日深夜のニッポン放送「永野芽郁のオールナイトニッポンX(クロス)」で、「生理現象として、私はビックリして涙が出ただけ。涙を見せることが誤解を招くと思ったから顔を隠した」と説明した。TBSは江頭の出演部分を配信版で全カットしたが、それもSNS上で議論を呼び、さらにこの時の動画はSNSで海外にまで拡散し、そこでも《セクハラを笑いにしようとしている》《全く面白くない》《嫌悪感を感じる》といった声が多数あがっているのだ。
批判の矛先は江頭をキャスティング、演出したTBSにも向けられ、今回の騒動の「責任がある」と一部で報じられている。「オールスター感謝祭2025春」は3月31日に公式Xで「当日ご出演いただいた皆様にご迷惑をお掛けしたこと、ならびに視聴者の皆様にご不快な思いをさせてしまったことをお詫び申し上げます」と謝罪。だが、放送関係者は「核心はそこじゃない」とこう言う。
「TBSにとって、永野さんがケガをする恐れがある場面を結果的に演出してしまったことが痛恨なのだと思いますよ。視聴者とファンに申し訳ないのはもちろん、これから日曜劇場に出演する人気女優を番宣番組でケガさせたなんてことになっていたら、所属事務所にも一生頭が上がらない事態になっていました。幸い、無事でしたけど、出演者がケガをする場面がお茶の間に生放送してしまうことになっていれば、テレビ局としての責任を問われることになりかねませんでした」
■「SASUKE」など出演者の重軽傷者を出してきた〝トラウマ〟
同局ではこれまでも番組で出演者がケガを負うことがあり、昨年4月はタレント小島よしお(44)がバラエティー「最強スポーツ男子頂上決戦2024」の収録中、足をひねるケガをし、またバラエティー「水曜日のダウンタウン」のロケ収録中にお笑いコンビ「トム・ブラウン」の布川ひろき(41)が左足人さし指を骨折し、約1カ月のケガを負ったとそれぞれ発表した。
「多くのケガ人を出してしまった『SASUKE』では、2002年の緑山スタジオでの収録中、出演者の大学生2人が頸椎骨折などの重体となる事故がありました。番組打ち切りを発表したのですが、その後も女性版『KUNOICHI』(2006年)や『SASUKE2016』を放送し、重軽傷者を出しています。高視聴率を狙うのがテレビマンですが、出演者の安全確認や警察への通報を怠っていたことなど、対応を問題視されたものですが、今回また同じ轍を踏むようなことをやっていたのです。
今回の「オールスター感謝祭2025春」での問題の場面は台本にはない「アドリブ」だったようだが……。
「番宣は普通ですけど、TBSの公式YouTubeチャンネルでも『#オールスター感謝祭25春にあの男が参戦決定』『江頭2:50×生放送=何かが起きる気しかしないっ 伝説の日になるか!? 見逃すな!!』といった文言がコメント欄にアップされていました」というから、トラブルをあおったと見られかねないとの指摘にうなずくのは放送関係者だけではないだろう。
日刊ゲンダイはTBS広報に問い合わせ、今回の番組の演出に問題はなかったのか、また出演者の安全対策など、講じられていることがあるのかどうか質問したが、回答を依頼した4月2日正午までの返答はなかった。
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