ウッチャンナンチャンの内村光良(60)と南原清隆(60)、出川哲朗(61)が週替わりでMCを務める「チャンハウス」(フジテレビ系)で素人の小学生の発言を改ざんして放送し、問題になっていると「NEWSポストセブン」が報じている。
記事によれば、番組で「小学生の恋愛事情」について街頭インタビューを受けた当事者からの関係者から、放送後に「誤った内容が放送された」と抗議があり事態が発覚。
問題のシーンは、「令和の小学生の間ではどんな子がモテるの?」というテーマで行われた街頭インタビューで、回答した小学生の“恋愛観”の一部分だけが切り取られ、本人の意図とはまったく違う形で紹介された。
渦中のフジテレビで起こったことだけに、番組制作過程の問題点がまた露呈した格好だが、街頭インタビューでの“改ざん”と言えば、3月24日放送の「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)も物議を醸したばかり。
こちらは、中国人女性が、「中国ではあまりカラスは飛んでいない」という話題の後に「みんな食べてるから少ない」「とにかく煮込んで食べて終わり」などと発言したように放送された。
しかし実際は、女性は「中国ではカラスを食べる」とは発言していなかった。「中国ではハトを食べる文化があるため、道端でハトを見かけることが少ないと話しただけ」で、「煮込む」の部分については「最近、火鍋をよく食べている」という話題で出た発言を、担当したフリーディレクターが意図的に繋ぎ合わせたものだという。
放送では、「中国全域ではありません」とテロップが入っていたものの、中国国内のSNSで炎上し、事態が発覚。日テレの福田博之社長は3月末の社長定例会見で捏造を認め、謝罪するに至った。さる日テレ関係者はこう話す。
「通常、放送内容は、音声やテロップなどの入っていない『オフライン』と呼ばれる荒編集の段階で、総合演出とプロデューサーがチェックし、最後、放送直前にプロデューサーが『プレビュー』と呼ばれるチェックをします。中国でカラスを食べる文化は本当にあるかどうか、プロデューサーが確認を求めたことに対し、そのフリーディレクターは『環境省のサイトなどで確認できた』と答えていたそうです。ちなみにこうした街録の動画は、スタジオ収録の段階まで、マツコや村上などの出演者が目にすることはありません。
ドキュメンタリー番組やバラエティー番組を担当する別のフリーディレクターはこう続ける。
「我々のようなフリーは、ダメだと判断されたら切られますし、編集による繋ぎ方が腕の見せ所ではありますが、ないものを作ってしまうのは絶対ダメですね。実は内心、『編集でどうにでもなる』という感覚はあって、撮れ高を気にするあまり、何度も取り直ししたり、後で編集する際の繋ぎ素材として別セリフを言わせておいたりして、そうした禁断の果実といつも内心戦っている感じですが、一線は越えないようにしています。やはり“捏造”と言われるレベルにまで行ってしまってはアウトです」
「オールドメディア」と揶揄されるテレビ番組で、こうした事態が続けば、さらに信頼を失ってしまうのではないか。
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「月曜から夜ふかし」の「素人イジリ」の危うさはかねてより指摘されていた。関連記事【もっと読む】日テレ「月曜から夜ふかし」ゴールデン昇格で問われる“素人イジり”のあり方と炎上リスク…では、その危険性について伝えている。