多部未華子(36)が主演を務める連続ドラマ「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」(TBS系・火曜午後10時)での専業主婦の描写に賛否が分かれている。
多部がTBS火曜夜10時の枠で主演を務めるのは、2020年放送のドラマ「私の家政夫ナギサさん」以来、二度目となる。
4月1日放送の第1話では、専業主婦である詩穂が「あれ、きょうもまた誰ともしゃべってない…」と焦るシーンや、娘と公園を訪れた場面では「まだ15分しかたってないの? 時空、歪んでない? ここだけ地場、歪んでない?」と漏らすシーンなど、専業主婦が時間を持て余しているという描写が重ねられた。
そんな詩穂と対極の存在として描かれたのが家事と育児、仕事を並行して行うワーキングママである、江口のりこ(44)演じる長野礼子だ。夫の協力も得られず、育児も家事もワンオペ状態で、睡眠時間を削りながら仕事をこなすも、ハプニングが重なり思うようにいかず、とうとう心が折れてしまうというリアルで痛々しさが伝わるシーンが描かれ、視聴者の共感を呼んだ。
この対比的な描写に対し、視聴者からは《専業主婦には時間がたっぷり&余裕あるっていう設定、物凄くモヤる。 専業主婦側の解像度、見直してほしいな》《ドラマ観たけど、専業主婦の解像度低すぎる。専業主婦をしていて辛かったのって誰とも話せない孤独もあるけど、それだけじゃ全然なかった》と、専業主婦に対する解像度が低いという感想も散見されている。
■専業主婦は家事をひたすらこなす逃げ場がない状況も
「今までのドラマでは、家事が苦手なキャリアウーマンにスポットが当たることが多かったですが、今作では家事を仕事と捉え、専業主婦に珍しくスポットが当たったということで、専業主婦の視聴者層の期待値も高かったようです。しかし、専業主婦の辛いと見られる描写がとにかく暇を持て余しているという点に集中しており、違和感を抱いてしまったという実際の専業主婦の視聴者も多かったようです」(ドラマ制作関係者)
第1話では、居酒屋で店長を務める詩穂の夫が深夜帰宅し、今日あったことの話を共有することを拒まれるシーンも描かれていた。出産直後からワンオペで育児と家事だけしていれば、育児うつなどになってもおかしくはない状況だろう。
「専業主婦は、共働きよりも子育てのストレスを強く感じている傾向が明らかになっているデータもあり、一日中、子どもと向き合いながら、家事だけをひたすらするという逃げ場がない状況を経験している専業主婦の方も少なくはありません。そういったリアルさが伴わない専業主婦の描写が続けば、メインターゲットである専業主婦の視聴者層が脱落する可能性も否めません」(同)
原作の小説では、専業主婦、ワーキングマザー、育休中の夫など、それぞれの立場で子育てや家事と向き合うことの大変さが描かれており、読者から多くの共感を呼んでいた。
ドラマも原作同様に、色々な立場の視聴者層の共感を得ることができるか。
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