「女性アナウンサー上納問題」でフジテレビが揺れる中、この春改編で、他局の女子アナの起用をめぐり、珍しい現象が続いている。
TBSでは、夕方のニュース番組「Nスタ」で、8年間キャスターを務めたホラン千秋(36)に代わって、新たに同局の出水麻衣アナ(41)を起用した。
出水アナは、入社20年目(2006年入社)のベテラン。「筑紫哲也 NEWS23」「王様のブランチ」、そしてオリンピックや世界陸上など、報道からスポーツ、バラエティーまで活躍した看板アナで「デミちゃん」の愛称で親しまれた。スポーツ紙芸能担当記者はこう話す。
「本人は、今回の抜擢に『お話をいただいたとき、目がテンになりました』とコメントしているが、23年4月には、早稲田大学大学院経営管理研究科を修了し、MBAを取得しています。局に在籍しながら、はやりの『リスキリング』でキャリアを磨いていたことが、今回の起用につながったと思います」
一方、日本テレビのお昼の情報バラエティー番組「ヒルナンデス!」では、元同局アナウンサーの西尾由佳理(47)を金曜コメンテーターとして起用。西尾は、2011年8月に同局を退社しているが、およそ13年ぶりに同局でのレギュラー復帰となった。
西尾は2001年入社。「ズームイン!!SUPER」の総合司会を2005年から2011年の番組終了まで務め、2005年から「24時間テレビ」の総合司会を7年連続で担当。「好きな女性アナウンサーランキング」(オリコン=10年)では1位に輝くなど、まさに同局の“看板人気アナ”だった。
「2010年に広告プランナーの男性と結婚し、現在、2児の母。今はセント・フォースに所属し、活動していましたが、目立った活動はなく、半ば忘れ去られたような存在でした。久々の地上波登場に、SNSは《安定の奇麗さ》《これで47歳はすごい》などと沸いています」(前出の記者)
出水、西尾とも、40代のベテランだ。
「出水の起用は、制作費の削減と自局で看板報道キャスターを育てようという意気込みを感じます。今はお母さんである西尾の起用は、主婦層からの人気を期待されています。2人とも若い頃は、『女子アナ』としてアイドル的な人気を誇りました。しかし、先日のフジの第三者委員会の報告では、“有力な取引先と良好な関係を築くための『性別・年齢・容姿などに着目して呼ばれる会合』というあしき慣習が、ハラスメントを受けるリスクをもたらしてきた”と、女子アナを『性接待要員』として扱うことを断罪しました。フジテレビに限らず、20代の若いアナウンサーばかりが『女子アナ』としてチヤホヤされる時代は変わってくるかも知れません」
人生経験やキャリアを積んだ40代アナも活躍の場が増えていきそうだ。