フジテレビ問題で、ホリエモンこと堀江貴文氏(52)の再建計画に関係者からも注目が集まっているという。
米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが16日に送付したと発表した親会社フジ・メディアHDへの株主提案で、選任を求めた12人の社外取締役のなかに堀江氏は入っていないそうで、本人は20日放送のTBS系「サンデージャポン」にVTR出演した際、事前にダルトン側と接触していたことを明かし、こうコメントしている。
「堀江さんも取締役候補でうんぬんかんぬん言ってたんだけど、『やっぱり堀江さんキャラ濃すぎるんで他の人に嫌がられました』って」
しかし、ダルトンの選任案にも名を連ねる金融大手SBIホールディングス北尾吉孝会長兼社長について、堀江氏は「ロケットの会社に出資してもらったりしている」などと現在の関係性を語り、フジテレビ再建についても「メディア事業は手伝ってほしいかもねみたいな感じなんで。テレビの方ね」と前向きな姿勢を見せている。これには「賛否ありますが、北尾さんとホリエモンという2トップが実現したら面白いという声はあります」とフジテレビ関係者はこう言う。
「堀江さんの再生プラン概要はサブスク強化と過去資産の活用とされ、過去の名作ドラマやバラエティなどの映像資産を最大限活用して、FOD(フジテレビオンデマンド)での配信を拡大すべきとの主張には頷くスタッフが少なくありません。『北の国から』や『月9ドラマ』などを一挙配信すれば、FOD会員数を現状の約150万人から1000万人規模に拡大できるかもしれませんし」
堀江氏は「権利のクリアランスができないんだったら、エキストラとかAIでぼかし入れちゃえばいいんだよ」などとし、この配信で「年間の1000億円の利益が出る」との試算をVTR出演した番組などで明らかにしている。実現したとすれば、広告スポンサー離れの補填にはなりそうだ。
■脱「日枝色」は求めても、諸手を挙げて歓迎はしていないか
もっとも、堀江氏待望論の理由はこれだけではないらしい。某広告プロデューサーはこう言う。
「番組のキャスティングもCM起用の算定基準も内向きで、忖度やら既得権益に縛られているところがあるので、それらを一掃し、開かれた経営スタイルへの転換を求めている声がありますね。こうした社風といいますか、方針は“ドン”日枝久氏時代からのもので、外部には見えにくくても、現前として残っているといいます。それを払拭しての再生には、『キャラ濃すぎ』という堀江氏こそ必要ではないかというのでしょう。『毒を以て毒を制す』という意見なのかも知れません」
2005年にライブドア社長だった堀江氏がフジテレビ買収に出た際、北尾氏率いるSBIグループはフジテレビ側を支援し、買収を阻止する「ホワイトナイト」として登場し堀江氏サイドと敵対した。
この北尾氏と堀江氏が「脱日枝」で手を組めば、フジテレビは変わるかも知れないが、「社員は諸手を挙げて歓迎というわけでもないですよ」という関係者もいる。こちらの理由としても「キャラ濃すぎ」が挙げられており、堀江氏の動向に注目しているという。
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