やはりジャニーズ事務所という環境が中居正広氏(52)を暴走させてしまったのか。昨年末に発覚した中居氏と元フジテレビの女性アナウンサーのトラブルについて、「第三者委員会」は調査報告書で「性暴力による重大な人権侵害」を認定。

すでに4カ月近く表舞台から姿をくらましている中居氏だが、4月2日配信の「デイリー新潮」が、3月下旬に高級外車を自ら運転して出かける姿をとらえた。ほぼ白髪のロン毛状態の元アイドルの様子に衝撃を覚えたファンも多そうだ。


 なぜ、中居氏は過ちを犯したのか。「原因はジャニーズ事務所で育ったことにもありますよ」と芸能関係者は分析する。


「権力や地位を濫用して、性欲を満たす。ジャニー喜多川氏と全く同じですよね。中居は中学3年生でジャニーズ事務所に入所し、ジャニー氏の行動を見てきた。性加害現場を目撃したかは不明ですが、その話を耳にしていなかったはずがない。子供心に『権力を持てば何をしても許される』と感じてしまったのではないか」


■封殺された「噂の真相」の中絶スキャンダル報道


 もちろん、ジャニーズ事務所出身のアイドルが全員悪事を働いているわけではない。しかし、逮捕されるタレントが後を絶たなかったことも事実だ。要因の1つとして、副社長だったメリー喜多川氏の“放置と隠蔽”があるという。


「メリー氏はジャニー氏の性癖を知りながら、被害者からの告発本が出ても『ウソだ』と言い張った。

テレビなどの大手メディアが報道しようとすれば、『取り上げたらウチのタレントは引き上げる』と圧力を掛けた。アイドルたちが週刊誌などにスキャンダルを報じられた時も、同じ対応をした。メリー氏に言われるままに、大手メディアは沈黙した。それが、中居などに『何をしても大丈夫』という傲慢な心を生ませた」(ベテラン芸能記者)


 SMAPが国民的アイドルとして活躍していた2000年代以降、ジャニーズ事務所のタレントは事件や不祥事を頻繁に起こすようになる。中居氏は2000年に月刊誌「噂の真相」で中絶スキャンダルをスッパ抜かれた。しかし、テレビやスポーツ紙はメリー氏を恐れて一切取り上げなかった。



メリー氏の隠蔽から生まれた「揉み消せる」というおごり

 あの時、大手メディアが「中絶スキャンダル」を取り上げていれば、中居氏も今回のような「性暴力」は起こさなかったかもしれない。


「『揉み消せる』というおごりがあったんでしょう。もとを辿れば、メリー氏の隠蔽行為から生まれた過信です。報道を精査せず、『週刊誌だからウソ』と決め付けるファンも少しは自分を顧みてほしい。そして、メリー氏の命令を跳ね返せなかったテレビ局にも大きな責任があります。悪いことをした時に悪いと指摘されなかったら、人はまた同じことを繰り返しますから」(前出のベテラン芸能記者)


 SMAPの勢いが増していった1990年代後半、メリー氏の横暴はエスカレートする。

ドラマの共演者が気に入らないと、放送局の社長に直接電話をかけ、外すよう要求することもあったという。これは、ジャニー氏の性加害問題に関する「外部専門家による再発防止特別チーム」の調査報告書でも認められている。


■取締役退任の日枝久氏が話すべきこと


「当時の社長といえば、フジテレビなら日枝久氏ですよ。フジは中居氏や木村拓哉などジャニーズのメンバーをドラマでよく主演させてましたよね。あの頃、ジャニーズ事務所の言うことはなんでも聞く、不都合な情報は報道しないというスタイルが出来上がってしまった。だから、今回の中居氏の『性暴力』は当時の幹部も大いに関係していると言えます。その頃、今のフジテレビの風土が完全に出来上がったんです。男尊女卑の傾向は昭和の時からありましたが、事務所に頭が上がらない体質は1990年代後半から顕著になりました。つまり、当時のメリー氏の圧力を含め、日枝氏は話さなければならないことがたくさんあるんですよ」(同)


 中居氏が起こした事件だが、彼の“慢心”を生んだジャニー氏やメリー氏、そしてついに取締役相談役を退任した日枝氏にも責任の一端はありそうだ。


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