脚本家、作家、CMディレクター、ラジオパーソナリティー、監督などマルチに活躍した、大宮エリー氏が4月23日、病気のため死去したことを27日、所属事務所が発表した。享年49。


 大宮氏は東大薬学部を卒業後、電通でコピーライター、CM制作などをつとめ、2006年に独立。映画監督のほか、MISIA、スピッツ、山崎まさよし、ケツメイシなどのミュージックビデオも手掛けた。また「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)のMCのほか、「タモリ倶楽部」(テレビ朝日)から、ワイドショーやニュース番組のコメンテーターまで幅広く出演。昨年からは周囲に体調不良について明かし、今年3月6日、「無病息災!!」と書き込んでいたインスタグラムが最後の投稿となった。元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏がこう言う。


「本業がどれか分からないくらいマルチな才能で、面白さに対する感度が秀逸。それでいてタダの天才肌にならず、常識人でクライアントに応えようと気遣いができるのは広告業界出身ならでは。テレビ出演の際も制作の意図を聞くために念入りに打ち合わせをこなす方で有名でした。50歳前後で大宮さんのようにオジサンウケする方は唯一無二。『タモリ倶楽部』のような、タモリさんという偉大なるオジサンと、マニアックなオジサンが集まる番組で同じ深さで堂々とウンチクを語れる引き出しの多さには、いろんな沼にハマってみた経験の多さも感じます。最近のハラスメント問題もあり、オジサンテレビマンたちは女性出演者とのやり取りに緊張しているのですが、唯一警戒しないで接することができて、頼れる存在でもありました。奇才にして人の気持ちも分かる、共感の奇才です」


 小誌のインタビューでは小学生時代のいじめ経験や自身の不器用な歩みについて明かし、「回り道が多く、たくさんつまずいて私が得た気づきが、誰かがつまずいたときの光(勇気)になれば」と語っていた。

あまりに早い旅立ちだが、彼女の数々の作品からあふれる勇気はこれからも光り輝くだろう。


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