お笑いコンビ「令和ロマン」高比良くるま(30)が28日、吉本興業との契約を解消し、波紋が広がっている。今年2月、吉本芸人のオンラインカジノ疑惑で、くるまは学生時代に経験していたとして任意で警察の事情聴取を受け、謝罪。
自身のYouTubeチャンネルでの謝罪動画をめぐり、吉本側から「こっちとしては、やってほしくなかった」「会社との信頼関係が壊れてしまったから、くるま君が望めばだけど契約解除したい」と契約解除を促されたこと、契約解除について社内スタッフも知らず、社内の話し合いではなくトップダウン打診だったことも明らかに。もはや、問題はオンカジではなく、会社にお伺いを立てず、意に沿わない行動をしたことにある様子で、若手のエースをトップダウンでアッサリ契約解除することへの疑問と、吉本興業ホームページのお知らせにある「双方合意」という文言との温度差に、ネット上もザワついている。
一方で吉本は、ダウンタウンの配信番組を今年7月から開始することも発表している。松本人志(61)は性加害が報じられると、自身のXで「事実無根なので闘いまーす。それも含めワイドナショー出まーす。」とコメントしたが、その後は裁判に集中するとテレビから姿を消し、訴訟は昨年11月に取り下げ、終結したにもかかわらず、ダンマリのままだ。
松本が「ワイドナショー」に出演しなかったところからしても、会社に許可を取ったとは思えず、吉本のルールはあいまい。大物芸人には頭が上がらないが、若手芸人が会社に都合の悪いことを言ったら消される“謎ルール”に、ネット上では「言論統制?」「吉本はロシアか北朝鮮か?」という声まであがっている。
「こんなガバナンスはあっていいものか」と識者
くるまの相方・松井ケムリ(31)は吉本に所属し、コンビは継続。自身のYouTubeやライブ活動は可能だが、「吉本鎖国」でおなじみの他事務所を排除している吉本の劇場出演はハードルが上がるとみられ、コンビでのテレビ出演も吉本側が積極的に協力してくれるかどうかは未知数だ。古くは、オリエンタルラジオの中田敦彦(42)、キングコングの西野亮廣(44)など、発信力のある芸人たちが突然“円満退所”しているだけに、どこか口封じの感が拭えない。
同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏がこう言う。
「芸人あっての会社なのに、こんなガバナンスはあっていいものか、声を出した芸人を尊重しない、対応に差があるというのは前時代的。時代を鑑みたコンプライアンスを順守する方針を貫くのであれば、所属芸人が誰であれ、同じように対処すべきでしょう。本来なら若手中心に自由に発言できる環境づくりに努めなければならないはずで、吉本は説明責任を果たす必要がありますし、あやふやにしたままでは吉本のイメージダウンは避けられないでしょう」
また、関西のイメージダウンも問題視している。
「都合の悪いことには触れない悪いイメージが吉本や万博を通じて伝わっているようで、そこも心配です。ダウンタウンDXが終了することには一切触れず、ダウンタウンチャンネルが始まることだけを明るいニュースとして扱うメディアの吉本擁護にも違和感があります」(前出の影山氏)
令和ロマンの契約解除対応に、松本人志の性加害問題、どれも説明不十分な吉本興業。6月の株主総会に向けて説明責任が求められるだろう。
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