沖縄戦で犠牲になった女子生徒や教師を慰霊する「ひめゆりの塔」を巡る暴言で、自民党の西田昌司参院議員(66)が猛批判を浴びている。
展示内容について「ひどい」「歴史の書き換え」などと発言したが、西田議員が指摘した展示内容は過去も現在も存在しない。
問題は、西田議員がいかなるシチュエーションで妄言を吐いたかだ。時は憲法記念日の今月3日。場所は那覇市内で開かれた「憲法シンポジウム」。注目はその主催者だ。沖縄県神社庁や神道政治連盟県本部、日本会議県本部が名を連ね、いわゆる「伝統的家族観」を重んじる保守系団体ばかり。彼らの支援を受ける自民党県連が共催した。
「中でも日本会議は、歴史修正主義的な立場を取ることで知られ、戦前の皇国史観への憧憬を隠そうとしません。日本の戦争責任や戦後の歴史教育を否定し、憲法改正を目指しています」(政界関係者)
「安倍晋三先生顕彰祭」と副題が
亡くなった安倍元首相の在任中は強力な応援団となり、この日のシンポジウムには「安倍晋三先生顕彰祭」という副題が付されていた。かようなイベントに記念講演者として登壇した西田議員は、日本会議国会議員懇談会の一員だ。そして彼の発言を詳報したのが「世界日報」。あのカルト教団・旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と関係が深いとされる新聞だ。
世界日報(電子版)によると、西田議員は「日本人にとって一番大切なのは価値観や歴史観」だが、「そのために必要不可欠な家族や教育を破壊し、日本解体を象徴しているのが今の憲法だ」と強調。この流れの中で「ひめゆりの塔の展示は歴史の書き換え」なる暴言が飛び出したのである。
西田議員の妄言は歴史修正主義的な集団への“サービストーク”のつもりでもあったのか。安倍元首相が凶弾に倒れた今なお、自民は社会の大勢から乖離した思想の持ち主たちに支えられている。
◇ ◇ ◇
西田昌司の“爆弾男”ぶりは、関連記事【もっと読む】などでで詳しく報じている。