「ポスト石破」を飽きずに目指す高市早苗前経済安保相がまた噛みついた。物価高対策として世論も野党も、そして公明党も自民党の参院改選組も要求する消費税減税をめぐってだ。
石破政権が消費減税に舵を切る見通しはない。改選組などから食料品に適用される軽減税率0%を求められた森山裕幹事長は、党税制調査会で勉強会を開くとしてゴマカシ。石破首相は12日の衆院予算委員会で「減税だけの話をするのは無責任」「いいとこ取りだけの議論をしていいとは思っていない」などと、いつもの財源論を盾に否定した。
そこで立ち上がったのが高市氏だ。13日放送のネット番組で石破答弁を「ひっくり返った。わが党トップの答弁にかなりガッカリしている」とクサし、「本当に困っている人がいる時に国が減税を惜しむのはおかしい」とド正論。勉強会についても「〈消費税は社会保障の重要な財源〉と説得するために開くのかなという疑心暗鬼がある」と、お仲間の声を代弁した。
総裁選で金融正常化に向かう日銀に対し、「金利をいま上げるのはアホやと思う」と牽制した高市氏は、先月も森山幹事長の経済知識をあてこすっていた。
■岸田前首相も参戦
安倍元首相の後継アピールを欠かさず、岩盤保守層の支持厚い高市氏が一般世論も味方にすれば鬼に金棒。
「志半ばで退陣した岸田氏は安倍氏にならい、再登板を狙っている。ただ、石破総理の次は火中の栗を拾うも同然なのでパス。キングメーカーとして一定の影響力を保つことに腐心している。石破政権は『陰の総理』と呼ばれる森山幹事長、後ろにいる菅義偉副総裁に牛耳られている状態。そのラインを弱体化させ、石破総理のグリップを強めるため、自分が副総裁に就いて重しとなる案を出したといいます。第2次安倍政権、菅政権における麻生太郎副総裁のポジションです。総理を目指す旧岸田派の林芳正官房長官を幹事長に据えて封じ込め、石破・岸田両氏と関係良好な岩屋毅外相を官房長官に横滑りさせる案もあったとか。とにかく『高市総理』だけは容認しがたい、ということ」(与党関係者)
高市氏の耳にも入ったのだろうか。14日、政調会長時代に設置した「自由で開かれたインド太平洋戦略本部」を始動。
◇ ◇ ◇
高市早苗氏には、“伝説”と呼ばれる自伝があるのをご存じだろうか? そこに書かれている衝撃の“肉食”ぶりは、関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。