参院選の前哨戦となる東京都議選の告示まで、13日でちょうど1カ月となった。石丸伸二氏が立ち上げた「再生の道」は当初、36選挙区で計45人の公認候補者を予定していた。

しかし辞退者が相次ぎ、5人が出馬を取りやめた。新党の勢いに水を差す事態となっている。


 昨年の東京都知事選で165万票を獲得し、次点に食い込んだ石丸氏が代表を務めるだけに、当初は都議選のライバル候補たちも「石丸旋風の再来か」と、戦々恐々だった。それが実際には、「石丸新党の候補者はそこまで脅威になっていない」という。多摩地域の選挙区から出馬予定のある地方議員はこう話す。


「ほとんどの立候補者は勤め先を退職し、選挙に専念するものです。しかし、『再生の道』のある候補者は会社に勤務しながら、有給休暇を活用して選挙運動をすると聞きました。選挙のことをわかっている人が多くないようだし、中には今月に入って辻立ちを始めた人もいる。自分の相手候補もそんな感じなので、正直そこまで怖い存在ではありませんよ。それよりよっぽど警戒すべきなのは、やはり都議会与党の都民ファーストの会。そして、地方選でも連勝し、勢いに乗っている国民民主党です」


■候補者の立て方までメチャクチャ


 当の石丸代表は、候補者の情報発信には協力するものの、選挙運動は「基本的に自分でやってもらう」との姿勢だ。候補者は選挙のノウハウがわからなくても無理はない。


 都政担当記者も「選挙区ごとの候補者の立て方がメチャクチャです」と、こう続ける。


「『再生の道』は定数4人の新宿区、町田市にそれぞれ2人ずつ出し、定数6人の杉並区には3人も候補者を立てるとか。これでは票を食い合ってしまい、共倒れする可能性があります。今後は、選挙区の変更など擁立する人数を調整するかもしれませんが、それでも厳しい戦いに変わりはないでしょう」


 石丸本人の勢いにも陰りが見える。昨年の都知事選での公選法違反疑惑が浮上したほか、安芸高田市長時代の市議への名誉毀損裁判の敗訴が確定。先月の滋賀・彦根市長選では、石丸と懇意なことで知られる和田裕行前市長が、現職にもかかわらず落選した。


 もはや、都知事選のような追い風は吹いていないようだ。


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 石丸伸二氏「再生の道」に1100人超えの応募者が殺到したのはナゼ? 関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。


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