やはり呪われているのか──。「コメ買ったことない」と、コメ高騰に苦しむ国民の神経を逆なでするような発言をして更迭された江藤拓農相。
2000年以降、スキャンダルや失言などで引責辞任した農相は、これで10人目だ。2000年以降に農相に就いたのは33人、そのうち10人が引責辞任だから相当、高い確率である。自民党内からは「農相は鬼門だ」の声が漏れている。
①大島理森(元秘書の金銭授受)
②島村宜伸(郵政解散に反対して罷免)
③松岡利勝(政治資金問題が浮上し自死)
④赤城徳彦(ばんそうこう問題)
⑤遠藤武彦(補助金不正)
⑥太田誠一(汚染米の不正転売)
⑦西川公也(政治資金疑惑)
⑧宮下一郎(旧安倍派ウラ金)
⑨小里泰弘(落選)
⑩江藤拓(コメ発言)。
■古いタイプの議員も多く脇が甘い
辞任せざるを得なかった理由はバラバラだが、大物も多い。なぜ、農相の辞任が目立つのか。
「たまたま、農相の辞任が多いということもあるでしょう。ただ、やはり農政通が多く、農政に詳しいとなると、どうしても地元や業界団体との癒着という問題も出てきます。吉川貴盛農相は、在任中の収賄が離任後に発覚し、有罪判決を受けています。農水族のなかには古いタイプの政治家もいるので、脇が甘いということもあるでしょう。それと、前任者が突然辞任した場合、後任を選ぶ時間が限られ、いわゆる“身体検査”をする余裕がないということもある。前任者がスキャンダルで辞任すると、メディアの注目が後任者に集まり、スキャンダルが発掘されるということもあるのかも知れません」(政界関係者)
農相の辞任は、その後、政局につながり、政権を弱体化させるケースも多い。
「日本の農業行政は、“守旧派”と“改革派”の争いという歴史もあります。農相経験者の石破首相や進次郎農相は、いわゆる改革派です。しかし、守旧派の方が強い。農協とうまくタッグを組んでやってきたのが守旧派です。自民党にとって農協は大きな票田ということもあるのでしょう」(自民党事情通)
進次郎氏は「呪い」から逃れられるのか。
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ピンチヒッターとして農相に就任した小泉進次郎氏だか、先月はドヤ顔で訪米し現地シンポでトランプ大統領の「MAGA」を礼賛していた…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。