【春ドラマ「女優進出組」の実力大分析】#12


 志田こはく(元スーパー戦隊シリーズヒロイン/グラビアアイドル)
  「なんで私が神説教」(日本テレビ系)
  2年10組生徒・安藤友理奈役


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 今クールは「Drアシュラ」(フジテレビ系)で主演している松本若菜のデビュー作は、「仮面ライダー電王」(テレビ朝日系・2007年)だった。


 広瀬アリス主演ドラマ「なんで私が神説教」(日本テレビ系/土曜21時)に生徒役で出演中の志田こはくは、「仮面ライダー」と並ぶ人気特撮ドラマ“スーパー戦隊シリーズ”の第46作として2022年に放送された「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」でヒロインの鬼頭はるか/オニシスターを演じた。


 2004年5月25日生まれ、埼玉県出身。2022年に舞台「六番目の小夜子」で女優デビュー。2023年には畑芽育主演の学園ドラマ「最高の生徒~余命1年のラストダンス~」(日テレ)に出演して、元=LOVEの齊藤なぎさ、人気グラビアアイドルの菊地姫奈、YouTuberとしても活躍中のみとゆなと共演した。


 2022年3月には雑誌「週刊プレイボーイ」で初水着グラビアを披露して、グラビアアイドルとしても存在感を見せている。実姉の志田音々も女優・グラビアアイドルとして活躍中で、2022年放送の「仮面ライダーギーツ」に出演した(特撮姉妹!)。


 スーパー戦隊シリーズは、親子で見ているうちに、お父さんやお母さんもファンになるというケースも多く、ヒロインを演じた女優は幅広い年代で支持されている。


「なんで私が神説教」に志田こはくが出演していることによって、「ドンブラザーズ」を見ていた子供たち(とその親)やグラビアで彼女を知った男性ファンが、「普段はドラマを見ないけど、こはくちゃんが出てるなら、見てみよう」と思った、というケースも少なくないだろう。


 この短期連載では芸人・アイドルなど異ジャンルからの春ドラマへの進出を取り上げてきたが、枠を超えたキャスティングによって、このように新しいドラマファンが開拓される可能性がある。それに、女優向きの逸材がどこに眠っているか、わからない。


 志田こはくの「こはく」という美しい名前は、彼女の祖母が営んでいたお店の名前に由来するらしいが、彼女自身も透明度が高く、琥珀の原石のようにキラキラとしている(琥珀は日本では岩手県で産出され、朝ドラ「あまちゃん」にも登場した)。


 しかも、ひらがな表記なのが、彼女のやさしい雰囲気に似合っている。


 原石が磨かれて、宝石のような輝きを持つ女優になっていくことを期待したい。


(高倉文紀/女優・男優評論家)


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