民放の4月期連続ドラマはこれから佳境を迎える。現在までの世帯視聴率で1位となっているのは、阿部寛(60)主演の「キャスター」(TBS系)で、第7話終了時点の平均視聴率は11.2%。

永野芽郁(25)がスキャンダルに見舞われながら、この数字をキープしているのはすごい。続く第2位は小泉今日子(59)と中井貴一(63)の「続・続・最後から二番目の恋」(フジテレビ系)の7.87%で、第3位のポジションをめぐっては、多部未華子(36)主演の「対岸の家事~これが、私の生きる道!」(TBS系)と、橋本環奈(26)主演の「天久鷹央の推理カルテ」(テレビ朝日系)がわずか0.04ポイント差となる5.9%と5.86%で競っている(視聴率は全てビデオリサーチ調べ、関東地区)。


 この数字を見る限り、あまり目立っていないが、テレビ関係者の間で注目を集めているのが、少し前まで無双状態だった橋本の凋落だ。


「従来の、テレビモニターの前に座って番組を楽しむ視聴率ランキングとは別に、動きのある視聴率を感じ取れるのが、TVerの無料見逃し配信サービスです。なかでも、毎日更新される“お気に入り登録者数ランキング”は、オンタイムに見られない視聴者が、いつでも自分の好きな時間に好きな番組を見る優先登録ができる。仕事や育児に忙しい20代から40代に重宝がられているサービスで、人気コンテンツが一目瞭然になります」(民放関係者)


 実はこのランキングで異変が起きている。



同世代の共感を呼び、マクドナルドCMも好評な多部

「続・続──」と「対岸の家事」が登録者数120万人を超えた一方、視聴率第1位の「キャスター」がトップ3位にも入れず、登録者数も40万人以上離された下位になっている。これは「キャスター」の視聴者がもっぱら中高年のTBS日曜劇場の固定ファンで、若い世代の視聴者がほとんど反応していないことを示す。そして、橋本の「天久──」はTVerのお気に入り登録数ではトップ10にも入っていない。


 橋本は昨年、ヒロインを務めたNHK連続テレビ小説「おむすび」が始まってすぐ「週刊文春」のパワハラ報道に見舞われ、そのまま朝ドラ史上ワースト視聴率という不名誉な記録を残したが視聴者の“橋本環奈離れ”が一層顕著になった形だ。


「細かい分析はこれからですが、今言えることは“若い視聴者層が橋本出演のドラマには興味を持っていない”という事実でしょう。医療ものとミステリーという、2つの人気ファクターが入っているにもかかわらず“お気に入り登録”が伸びないのは、若い視聴者から敬遠されていることを裏付けています」(テレビ関係者)


 逆にこのランキングで、好感度が上がっていることを示したのが「対岸の家事」の多部だ。


「5月初旬からスタートしたマクドナルドの“セット500”CMも好評だったようです。クライアントの分析によれば、多部にはスキャンダルの類いが一切ない女優としての清潔感があり、特に同世代の女性には、『対岸の家事』の好演が、育児に家事にひたむきに頑張っているイメージを抱かせているというのです。ドラマのストーリーが、専業主婦の悩みを掘り下げていることも、共感を呼ぶ材料のひとつになっているようですね」(芸能関係者)


 ドラマが始まってすぐにスキャンダル疑惑が報道されることになった橋本と永野は、4月期の連ドラの“お気に入り登録者数”で、はからずもファン離れの動きが示されることとなった。


(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)


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