【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】
確かにそうなんです…この間『報道ステーション』を見ていて、あきれました。長嶋茂雄さんがお亡くなりになった日です。
確かに長嶋茂雄さんは偉大な人ですし、トップニュースで大きく取り上げて当然です。でも、1時間ちょっとの枠で50分近くやるのは常識的に考えてどうなんでしょう? ぶっちゃけ「長げーよ」と、大部分の視聴者はテレビにツッコミを入れたのではないでしょうか。
ちなみに私は55歳で、「王・長嶋」ど真ん中です。長嶋さんの現役の頃は記憶に無くて、長嶋監督として印象深いという世代ですね。それでも長すぎると感じたわけですから、最近の若い人とか、この日の報ステを見てどう思ったんでしょうか? ほぼ何も知らない人の話を延々とやられるわけですからね…きっと「若い奴は誰も見てないだろう」という前提で制作してるとしか思えません。
■1時間の番組でニュースは3本だけ?
さらに問題なのは「1時間のニュース番組で、やったニュースは3本だけ」という異常な状態です。韓国大統領選はかなり大きなニュースですし、それ以外にもいろんな「やらなきゃいけないニュース」がたくさんあったはずなのに、さすがにこれじゃダメだと思います。
私は報ステのOBですが、もうこれじゃニュース番組とは呼べないレベルですよね。長嶋さんの訃報も、プロ野球セ・パ交流戦も野球がらみのトピックスですから、『野球ステーション』と名前を変えたほうがいいんじゃないでしょうか。
「野ステ」に限らず、最近のニュースは「視聴率の取れる話題だけやっときゃいい」っていう姿勢が強すぎます。「知っておかなければならないニュースを放送しなければならない」という報道機関としての基本姿勢はかなぐり捨てて、「金稼ぎのためのニュース」に徹しているわけです。テレビ業界人はネットのことを「再生回数稼ぎだ」とか言って馬鹿にしてますが、まったく同じとしか思えませんよね。やれやれ。
(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)
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