春ドラマの中では断トツ人気だった。小泉今日子(59)と中井貴一(63=写真)主演のフジテレビ月9「続・続・最後から二番目の恋」。
中盤7%ちょいで推移していた世帯視聴率も、最終回は8.2%(関東地区=ビデオリサーチ調べ)。TVerのお気に入り登録数は120万超え(6月25日現在)で、春ドラマのトップをキープした。
「2012年放送のシーズン1から大人気で、鎌倉で聖地巡礼が流行るなど社会現象となったドラマ。固定ファンがついているとはいえ、中居正広さん問題で視聴者からソッポを向かれたフジテレビの放送であること。それまでの木曜10時枠から月9に移動で《月9とこのドラマはピンと来ない》なんて声が出たこと。以前と変わらず人気となるか不安要素はありましたが、大成功に終わりました」(エンタメ誌編集者)
ネット上の書き込みも他のドラマと比較すると群を抜いていて、《一家に一台長倉和平》なんて名フレーズも生まれた。言うまでもないが、中井演じる長倉和平は小泉演じる吉野千明が住む家のお隣さん。
「和平さんは、年齢を重ねるごとにその魅力がジワジワとしみ出しているキャラ。《一家に一台長倉和平》は、《こういう男性と恋愛したい!》と熱望する女性の思いを代弁した絶妙なフレーズですよね。《私の長倉和平はどこにいるの?》と多くの視聴者から探し求められている和平さんを、中井さんはこれまで以上にチャーミングに演じられたと思います」と話すのは、芸能ライターのエリザベス松本氏だ。
千明がいよいよ60歳で還暦を迎えるという設定で、年齢を重ねた人間の心境や巻き起こる悲哀も丁寧に描かれた今作。
「今は生きることに不安ばかりが募っていく時代。千明と同じ世代のアラフィフ、アラ還だけでなく、若い世代もそうです。そんな時代の影響か、あまり刺激が強いものより、ドラマぐらいは楽しくゆるっと見ていたいという流れが来ているのかもしれませんね。NHKの『しあわせは食べて寝て待て』もそうでした。どちらの作品も淡々として現実の厳しさを描きながらも、楽しさと希望もある」(前出のエリザベス松本氏)
それだけに「続・続・続」編の放送を待望する声もすでにあふれ返っていて、中には《渡鬼化して!》の声も。もちろん《渡鬼》とは全10シリーズが放送された長寿ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)のことだ。
「中井さんは放送前の取材で《誰ひとり欠けても作らないと決めていたドラマなんですよ。出演者の全員が揃って初めて成立するのが『最後から二番目の恋』で、そのタイミングだった》と答えています。おそらく弟役の坂口憲二さんの芸能界復帰を待っていたのでしょう。坂口さんが復帰した今、今後はもう少し速いペースでスペシャルや『続・続・続』編の制作があってもおかしくない。数字的に根強いニーズがあることも証明しましたからね」(在京キー局プロデューサー)
そもそも「渡鬼」や「相棒」(テレビ朝日)のように、長~く続くことを望まれるシリーズはそう簡単に生まれるものではない。
「小泉さん、中井さん、そして“長倉家”のキャストの面々次第ですが、いまだに問題が山積しているウチにとって、視聴者の支持率が高く、スポンサーも説得しやすい『二番目の恋』のようなキラーコンテンツは、喉から手が出るほどほしい。手放したくない。だから最終回もさらなる続編を期待させる、フワッとした終わらせ方にしたのでは。実現可能性は十分あると思いますよ」(フジテレビ関係者)
「続・続・続」編をという視聴者の切なる願いは、かなうだろうか。
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