「私、金光修は本年6月の株主総会終結の時をもって退任します」
フジ・メディア・ホールディングス(HD)の金光修前社長はその言葉通り、6月25日の株主総会で、当初就任予定だった取締役会長にはならず退任した。その理由について、4月30日の会見で「一人の権力が長く対流するということに関しては、制度として制限しておくべきだと」として、「相談役」や「顧問」制度を廃止するとともに、役員には定年制を導入し、代表取締役は70歳、執行役員は65歳などとした。
ところが、ひっそりと金光氏が「アドバイザー」に就任したことで社内外から驚きの声が上がっている。株主総会後の27日、「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の中で明らかにされた。
■“日枝路線”踏襲か
「資本政策などの経営課題に対する助言を行う非常勤の“アドバイザー”ですが、報酬もしっかり出ることから“金光さんのあの会見は何だったんだ?”という声が上がっています。世間一般からすれば、『相談役』も『顧問』も『アドバイザー』も変わらないでしょう。金光氏も87歳まで取締役相談役に居座った日枝久氏の路線を踏襲して“ドン”の座を狙っているともっぱらです」(フジテレビ関係者)
日刊ゲンダイはフジHDに金光氏のアドバイザー就任の理由と経緯、報酬額を質問したところ、「資本政策や経営計画の助言を得るために就任していただきました。特定の者に権力が長く対流しないようにするため、任期は最長で2年間としております。個別の報酬額については開示しておりません」(広報)と回答があった。株主は金光氏の今回のアドバイザー就任をどう受けとめているのだろうか。
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