“中居問題”をめぐるフジテレビの検証特番が放送された翌7日、フジ月9「明日はもっと、いい日になる」がスタートした。
「検証特番には物足りなさがあったものの、連ドラの視聴者の受け止め方は別ものです。
「明日は――」は、福原遥(26)がフジGP帯ドラマ初出演にして月9初主演、バディー役の林遣都(34=写真)が月9初出演という新鮮な顔ぶれの《児童相談所を舞台に、そこで働く個性的な面々たちがこどもたちの純粋な思いに胸を打たれ、その親までも救っていく姿を温かく描く完全オリジナルストーリーのハートフルヒューマンドラマ》(公式HPから)だ。
初回視聴率は世帯7.3%、個人4.2%(関東地区=ビデオリサーチ調べ)、TVerお気に入り登録数は41.9万(7月11日現在)、Filmarksでの評価は5点満点で3.3と、総じて無難なスタートを切った印象で、初回は徳永えり(37)扮するシングルマザーの“虐待疑惑”がメインの話だった。
SNS上では《あのシンママ役の人すごい生々しくて涙が止まらん》《久々に、人を救おうとしている月9を見た》などの声が上がる一方で、《あのハッピーエンドは何よ。キレイごと過ぎる》《問題の本質から逃げてドラマのためにハッピーエンドにした感じがフジの限界か?》なんて手厳しい意見もちらほら。テレビコラムニストの亀井徳明氏は「徳永さんが“やりすぎ”っていうくらい、全部持ってっちゃった初回でしたね」と、こう話す。
「大きすぎる芝居ではなく、あの疲れ切った目だけで状況を語る芝居に引きつけられた人は多いはず。でも、徳永さんの演技が素晴らしかったぶん、脚本というかドラマの構図の粗さが気になりました。主演の福原さんはイメージ通りの真っすぐさが嫌みにならないし、林さんは抑えめながら奥行きのある感じで“林遣都劇場”がそのうち出るのを期待させる。脇を固める柳葉敏郎さんや風間俊介さん、生田絵梨花さんなど児相の面々の存在感は盤石なんですが……」と認めつつ、さらにこう続ける。
「職場の面々があまりに盤石なぶん、《ホントは児童福祉司役の小林きな子さんのところに野呂佳代さんを置きたかったんじゃないの?》なんて邪推してしまったり。しかも、ドラマの基本構造が《嚙み合わない凸凹バディー+個性派ぞろいの職場》。世間に広く知られていない職場を描くお仕事ドラマのテンプレそのものです。
盤石なキャラクター、ゲスト俳優の名演が重なれば、ドラマとして合格というわけでもないらしい。
「もっと“児相周辺の現実”に向き合った作りを期待している視聴者はマイナス評価、“お仕事ドラマの変化球のひとつ”として楽しめる人にはプラス評価と、評価が賛否両論、分かれる感じですね」(テレビ誌ライター)
看板枠のタイトルに”自局”の願いを込めた感もある「明日はもっと、いい日になる」。果たして7月14日の第2話では、フジにとっての“いい日”を引き寄せることができるのか。
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