東野幸治の活躍が止まらない。今月1日放送の「華大さんと千鳥くん夏の2時間SP in 大阪」(カンテレ/フジテレビ系)では、東野、アナウンサーの山本浩之、メッセンジャー・黒田有がMCを務める「ちゃちゃ入れマンデー」(関西ローカル)とのコラボ企画が実現。

そこで誰よりも声を出し、動き、笑っていたのが東野だ。


 大阪のスタジオで華大・千鳥メンバーを迎えて早々に「うっすらバカにしてませんか」と指摘して現場の温度を上げ、いつもと違い寡黙な黒田に「東京映るっていって、なにボーッと突っ立ってんねん」とツッコミを入れ、逆に黒田から“レギュラー本数が減ったから前に出てる”と言い返されると「そらそうや」とカメラに向かって大はしゃぎする。


 その後、華大・千鳥メンバーと「ちゃちゃ入れマンデー」との関係性を笑いを交えて丁寧に説明し、観覧席に座る大阪のおばちゃん40人にまつわる企画コーナーに入っても黒田の毒舌や珍言、古典的な立ち居振る舞いを指摘しつつ、大阪の中年女性は自転車を「腰でこいでる」といったジョークを差し込んだりしながら番組を盛り上げていった。


 6月20日深夜放送の「東野幸治のホンモノラジオ」(ABCラジオ)の中で「俺、今正直全盛期。VTR見る全盛期です」と語っていた通り、2023年にギャラクシー賞月間賞を受賞した「不夜城はなぜ回る」(TBS系)をはじめ、「国境デスロード」(ABEMA)、「ステータス」(NHK総合)と東野MCの番組が軒並み賞を受賞。今年5月に配信が開始した「罵倒村」(Netflix)は、程なく週間ランキング1位を獲得している。


 お笑いワイドショー「マルコポロリ!」(カンテレ)ではベテランを中心とするレギュラー出演者とゲスト芸人をイジり、言い争いをけしかけて大喜びする司会者のイメージが強い。その一方で、YouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」の「エンタメ報告会」ではドラマや映画、アニメといったサブカル好きの一面を炸裂させている。


■自身に求められているものをあらゆる形で具現化


 ここ数カ月更新されていないが、東野メインのYouTubeチャンネル「東野・吉村のVTuberはじめました!」では後輩たちとリアクション系VTuberとしてはしゃぎ倒し、「東野VS」では天津飯大郎、にゃんこスター・スーパー3助、“地下芸人の帝王”と称されるコンビ・モダンタイムスらの近況に迫るなど、オフビートな笑いで視聴者を魅了している。


 2023年には「BSよしもと」の宣伝局長に就任し、同局のレギュラー番組に出演。吉本興業の人気芸人を虫のキャラクターに見立てたギャグ漫画「よしもと虫学校」(ワニブックス)のプロデュースを担うなど所属事務所からの信頼も厚い。スキャンダルなしの“白い悪魔”は、自身に求められているものをあらゆる形で具現化する万能マシンと化している。


(鈴木旭/お笑い研究家)


  ◇  ◇  ◇


 東野幸治の強さの秘訣は圧倒的な「勉強」にあるようだ。関連記事【もっと読む】30代からは知識と哲学が必要に…「先生」の教えを守り東野幸治は信頼のあついMCになれた…では、本人の勤勉ぶりについて伝えている。


編集部おすすめ