大手芸能プロ「ケイダッシュ」代表取締役会長で、7月30日に亡くなった川村龍夫氏(享年84)は堺正章(78)、南野陽子(58)、坂口憲二(49)、高橋克典(60)ら数多くの売れっ子を育て、抱え、かつて所属していた渡辺謙(65)のハリウッド進出をバックアップしたことでも知られている。


「藤あや子や郷ひろみらが所属する『バーニングプロ』の周防郁雄会長と同級生で、『田辺エージェンシー』の田邊昭知会長と並び、昭和から芸能界を動かしてきたドンです。

新日本プロレスのアントニオ猪木らを応援し、格闘技の世界にも影響力を持っていた。今後ケイダッシュはのれん分けなどで、分散していく可能性を取り沙汰されています」


 とは、川村氏を知るマスコミ関係者。


「すでに世代交代が始まっていますけど、日常的に繰り広げられていた芸能界のシステムは明らかに変わってきました。ドンの事務所に仕事の口利き願いやトラブル処理、謝罪や謝礼やらで全国から業界人が列をつくり、担当のスポーツ紙記者らもネタを求めて日参していた。実際、TV番組もイベントのキャスティングも、ドンが動けば一発。いつも取り巻きを従え、その威光を傘に着る関係者も少なくなかった。タレントの結婚などのスクープ記事もスキャンダルも、ドンの差配によって報じられたり、報じられなかったりしていましたけど、それらが過去になりつつあります」という。


 高知東生(60)も元ケイダッシュで、16年に起こした覚醒剤取締法違反事件を振り返り、X(旧ツイッター)で追悼するとともに、こう記した。


《事件でご迷惑をお掛けしてしまい、あわせる顔がなかったがお詫びの手紙は出させて頂いた》


 歌手の小林幸子(71)は7月31日、都内でのイベントで「私は本当に可愛がってもらった。物凄く優しくしていただいて、ずっと見守ってくださった一人です」などと語った。「お世話になった」というタレントや業界人は数知れず、良くも悪くも業界を牛耳っていたのだろう。そうやってつくりだされていた秩序は崩れ、改変期にあるというのだ。


■無難路線の流れに掉さすような新鋭が登場する日


「テレビにとっては、チャンスだと思います。キャスティングの自由度が上がって、自分たちで企画からイニシアチブを取っていけるのですから。予算やスポンサーの目を気にして、人気ランキングや好感度の高いタレントばかり起用し大コケはしないけど、大ヒットもしない無難路線が目立ちますけどね」


 とは広告プロデューサー。芸能プロは、吉本など、制作会社を持っているところは存在感を強めているという。新時代を告げる足音はそこここで聞こえているようだ。
 
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