7月27日からオンエアされている、反町隆史(51)と松嶋菜々子(51)夫妻がアンバサダーを務める資生堂メンズ向けブランド「SHISEIDO MEN」美容液の新CMが好評を博している。


 反町夫妻は2023年から同ブランドのアンバサダーに就任。

これに伴い同年11月22日の“いい夫婦の日”に初共演となるCMが流れると、その効果は想像以上で、昨年の国内売上高は前年比39%増を記録し、業界関係者を驚かせた。


 グローバル展開も順調に推移しており、CMで夫妻のことを知った海外のファンには、これをきっかけに2人の過去の出演ドラマを探す例も増えたという。今回は前年の実績を基に更なる躍進を期待されて再登場となったわけだ。


 一方で、CMの公開のタイミングが、松嶋が出演中のNHK連続テレビ小説「あんぱん」で再登場する前日にあたり、芸能記者たちは資生堂の戦略に舌を巻いた。その松嶋は「あんぱん」で“自分勝手だけど正直。憎まれそうで嫌われない”母親役を演じている。ドラマではしばらく不在が続き、視聴者待望の松嶋の再登場にあわせたプロモーションとなった。


「『SHISEIDO MEN』は男性用ですが、美容液を実際に購入するのは男性ではなく、中高年層の女性だといわれています。定価が1万5000円を超える美容液は、若年層は気軽に手を出しにくいと思われますし、購買動機を調査すると“くたびれた夫を少しでも反町さんに近づけたい”という、中高年既婚女性の夫磨きが目的だという発想が生まれているようなんです」(広告関係者)


 反町のようなイケメン夫と幸せな家庭を築き、子育てをしながら、女優としても輝く松嶋が、商品の訴求効果の高い女優のひとりであることは間違いなさそうだ。


■家事もしっかり手伝うイケメン夫


「『あんぱん』では、子供ほったらかしで再婚を重ねる“毒母”を演じ、中高年女性からは非難囂々かと思いきや、不思議と松嶋にはそんなクレームは皆無なんです。1996年の朝ドラ『ひまわり』で女優としてステップアップした松嶋ですが、以来俳優として上手に年齢相応の進化を続け、中高年女性に強い共感みたいなものを感じさせている。なぜか松嶋には“嫌な印象は演じているだけ。

本当の彼女は自分を犠牲にできる芯の強い女”というイメージが定着しているんですね」(芸能プロダクション関係者)


 またドラマの現場関係者からは「瞬間最高視聴率が40%に届きそうだった00年のフジテレビ系ドラマ『やまとなでしこ』で、松嶋に“この世で一番嫌いなものは貧乏”と言わせたのは『あんぱん』の脚本家、中園ミホでした。松嶋の魅力を十二分に知っている中園さんが、楽しんで松嶋演じる“毒母”をつくっている感が伝わってきますよね」という声も聞こえてきた。


 反町がナイスミドルでいられるのは、しっかりと支えている松嶋がいるから。そんな理想的な夫婦像に羨望を抱く中高年女性に、松嶋は強い安心感と存在感を与えているというわけだろう。


 ちなみに筆者は少し前、夫妻が長らく通う都内のベーカリーショップに、反町が変装もせず、スポーツカーを乗りつけパンを買っていく姿を偶然目撃したばかり。夫妻は第1子誕生直後から、「家事はできる時にできる人がやる」という分担制だったといわれているが、まさにそれが、20年以上経った今もしっかり守られていることに、安堵を覚えた。


 資生堂CMの「なに?」(反町)、「ううん……」(松嶋)というラストシーンに、役者として、夫婦としての年輪を感じさせる2人。どうやら芸能界の理想の夫婦像に、反町と松嶋は不動のポジションを築きそうである。


(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)


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