バラエティー「天才・たけしの元気が出るテレビ‼」(1985~1996年、日テレ系)などで、中高年世代にはお馴染みの演出家テリー伊藤氏(75)が東京国際大の特命教授に就任し、9月から教壇に立つと報じられた。


 スポーツ報知によると、テリー氏自ら同大学の理事長、倉田信靖氏に直談判したそうで、テレビなどでの経験を踏まえた「マスコミ文化論」を中心に講義を進める。

「学生にはインターネットでの知識とは違う生の現場を感じてもらいたい」などの構想を語り、街へと飛び出す講義も考えているのだそうだ。東京国際大にテリー氏起用の経緯について聞こうとしたところ、「17日まで夏季休暇」として、取材窓口はやっていなかった。


 タレントらが大学の「客員教授」となるケースは以前からあり、今年も南野陽子(58)が6月に神戸松蔭大の客員教授に就任し話題となった。


「南野さんは系列の松蔭中学・高校に在籍していた縁もあって決まったそうですが、今回のテリー氏のように、教壇に立ちたいという思いを持って、芸能人側から受け入れ先の大学を探すというケースが多いように思います」


 とは、タレントと大学の橋渡しもしているという芸能プロ幹部。


「東京国際大は、大手広告代理店のOBが客員教授を務めたこともあり、メディアや芸能関係を重要視しているようですので、今回のテリー氏もその流れかもしれません。他に、最近では新田恵利さんの淑徳大客員教授が知られていますが、小室哲哉氏が2007年に尚美学園大の特任教授になって『新世紀音楽概論』を学生に説いていましたし、広島国際学院大では2008年から川島なお美さんが客員教授として招かれ、『恋愛論』を講義して注目されていました。広島国際ではガッツ石松氏も教壇に立ち、2014年に実施した『人生ガッツ論』をやって、どちらもウケて今も語り草です」という。


■秘めたるタレントの承認欲求と、学生を集めたい大学側の皮算用のマリアージュ


 猫も杓子も、じゃないが、ちょっとしたブームのような流れには「大学本来のあるべき姿じゃない」という批判もあがっている。「タレントがイベント出演するときの報酬と比べると、ほとんどボランティアに近く、講義もある程度のコマ数をこなさないと収入になりません」と前出の関係者は内情を明かすが、それでもアカデミックな関係者は白い目で見るのか。


「そんなことはないはずです。エンタメ系の学科や講義は私立の文系大学では看板になり、それなりに多くの学生が集まってくる。少子化の昨今は、留学生で定員を埋めている大学が少なくなく、そうした大学にしてみれば、テリー氏のようなプロフェッショナルが教育的な貢献に意欲を見せ、教えに来てくれるのは渡りに船だったでしょう。

教える側の承認欲求なども言われますが、大学や学生たちの多くは歓迎していますよ」


 そう大学関係者は言っている。どうやら、教壇に立ちたい側、それを受け入れる側は、相思相愛らしい。


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