読売新聞の世論調査で、低迷していた国民民主党の政党支持率が上昇。3カ月ぶりに野党首位に返り咲いた。

「年収の壁」引き上げがウケたのだろうが、好事魔多しである。党所属の“激ヤバ”女性議員に再び焦点が当たり、玉木雄一郎代表は苦悶の表情だ。


 “激ヤバ”議員とは、昨年の衆院選で千葉5区から出馬し、比例復活した岡野純子議員のこと。今夏の参院選で岡野氏は、千葉県選挙区の党公認候補・小林さやか陣営の応援入り。その際、別の比例候補の「標旗」を不正に使用したとして、千葉県警に23日、公職選挙法違反容疑で書類送検されたのだ。


 標旗は、候補者や陣営が街頭演説する際に必要な「選挙の七つ道具」のひとつ。参院選の場合、選挙区の候補には1つしか与えられないが、選挙区の広い比例候補には6つ交付される。当然ながら、自陣営に交付された標旗しか使用は許されないのに、岡野氏は比例候補の標旗を掲示。小林氏の名が印字されていた。その様子を収めた〈写真〉をSNSに投稿し、不正の「証拠」を自らさらしたのだ。


 選挙期間中に日刊ゲンダイが問題を指摘すると、岡野氏はSNSで「標旗使用は錯誤だった」と釈明した。ところが、日刊ゲンダイの取材で不正な標旗を複数回にわたって使用していた疑いがあることが判明。

そもそも、選挙区と比例区の標旗は形状が全く異なるため「錯誤はあり得ない」(ある地方議員)。標旗の不正使用は故意だった可能性があるわけだ。ある国民民主関係者は「不正を目の当たりにしたボランティアから『故意としか思えない。大丈夫なのか』と問い合わせがあった」と日刊ゲンダイに証言したほどである。



不正は「錯誤」ではなく「故意」

 はたして岡野氏は起訴されるのか。元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏はこう指摘する。


「岡野氏は市議選や市長選を含め何度も選挙に出ているため、『錯誤』の言い訳は通りづらい。ポイントは、岡野氏と小林陣営が違法な標旗をどこで何回使っていたか。岡野氏自身がSNSに投稿していた分は、当局も証拠として掴んでいるはず。ただ、それ以外に、いつどこで何回使っていたかという詳細をどこまで証拠として把握しているか。5~6回分が証拠化されれば、悪質さが浮き彫りになり、起訴に至る可能性があるでしょう」


 書類送検に加え、岡野氏にはこれまで地元市議へのパワハラ疑惑まで浮上。激ヤバな彼女の存在自体が、玉木国民民主にとっては大ダメージだ。


「玉木さんは、今が大事な時期。自維連立政権が衆院の定数削減を巡って揉めており、日本維新の会を牽制する意図から、自民は国民民主に接近。この状況を好機と見たのか、玉木さんも連立入りに前向きな発言を繰り返している。そんな折、岡野さんの問題に注目が集まるのは痛い。『余計なことを』と苦々しく思っているはずです」(官邸事情通)


 23日の会見で見解を問われた玉木代表は「今初めて聞いた。まずは事実確認に努めたい」と答えた。表情をこわばらせていたが、焦っているに違いない。


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 書類送検された岡野純子議員の激ヤバぶりは【もっと読む】【さらに読む】で詳しく報じている。


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