今月から高額療養費制度の自己負担上限が引き上げられた。年収370万~770万円の場合、従来の上限額は月額8万100円だったが、現行では8万5800円。
厚労省は先月29日、高額療養費制度の見直しに関するパブリックコメントの結果を公表。約5300件の意見が寄せられた。パブコメは数が考慮の対象となるわけではないが、それでも5000件超は異例だ。次のような反対意見が殺到した。
《制度利用者の大多数が負担増となる改正は、セーフティネット機能の強化とならない》
《必要な医療を早期に受ける機会が失われるため、制度改正には反対》
《現役世代や中所得層は健康保険料の負担が年々増加しているにもかかわらず、高額療養費制度の自己負担上限額まで引き上げられると、負担が二重に増える》
■負担軽減「数百円」は盛りすぎ
ところが、厚労省の回答は塩対応そのもの。「制度の持続可能の確保」と「長期療養者や低所得者へのセーフティネット機能の強化」という、これまで繰り返してきた型通りの“官僚答弁”を並べ、〈ご理解いただけますと幸いです〉を連発。意見を聞いただけで「見直しの修正」には一切応じないのだから、民意を聞いたふりに過ぎない。
さらに見過ごせないのは、見直しに伴う保険料の負担軽減効果を“盛ってる”ことだ。厚労省はパブコメに〈月額数百円となります〉と明記しているが、上野賢一郎厚労相は今年3月の衆院予算委員会で「高額療養費の見直しでは年1400円、1カ月120円の減少」とハッキリ答弁している。月額数百円と月額120円では与える印象が違う。
一体、この差は何なのか。
厚労省に尋ねると、「加入している保険者によって異なるため、(パブコメの回答には)ある程度、幅を持たせた」とのこと。ここだけ大臣答弁をトレースせず、わざわざ「数百円」と言い換えているあたり、やることがセコい。
ただ、“親分”の振る舞いの方がひどい。高額療養費の上限引き上げについて、高市首相は昨年の総裁選時に反対を表明し、当時は野党だった日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)も「反対の立場」と明言していた。それが今では、何事もなかったように患者負担増に邁進しているのだ。
自分の言ったことさえ守らない政治家のせいで、病人が虐げられる。有権者はもっと怒った方がいい。
◇ ◇ ◇
高市政権は物価高対策を置き去りにして庶民に負担増を強いてばかり。関連記事【もっと読む】『高市政権の愚策に〈#高額療養費の限度額引き上げ撤回して〉が急拡散!「8月負担増」で大炎上終わらず』で詳しく報じている。





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