2026年6月18日、英国に拠点を置く国際保険会社エクスパトリエイト・グループは、「海外退職指数2026」による最新調査で、フィリピンがアジア地域で最高得点を獲得し、退職後の生活に最適な国の一つとして国際的に注目を集めていると発表した。

その他の写真:ダバオ市 イメージ

 フィリピンを100点満点中78点と評価。
生活費の安さとビザ取得の容易さを主要な強みとして挙げた。同調査は、生活費、医療水準、ビザ制度、気候、文化的適応度など複数の指標を総合的に評価し、退職者にとって魅力的な国をランキング化したもの。上位にはギリシャ、パナマ、コスタリカ、ポルトガルなどが並ぶが、フィリピンはアジア勢として唯一トップ10入りを果たし、地域内で突出した評価を得た。

 フィリピンの強みはまず生活費の安さにある。家賃、食費、交通費など日常的な支出が欧米や日本と比べて大幅に低く、地方都市では月500ポンド(11万円)前後で快適な生活が可能とされる。さらに退職者向けの「SRRV(特別居住退職者ビザ)」は年齢や預金条件が比較的緩やかで、長期滞在を希望する外国人にとって敷居が低い。加えて英語が広く通じる環境も、生活の利便性を高めている。

 一方で課題も存在する。医療水準は日本や欧州と比べて数段低く、重病や高度医療を要する場合にはシンガポールや日本への渡航が必要となるケースもある。医療費も公的保険制度が脆弱なため、民間保険や自己負担が中心となり、軽度の治療でも割高に感じることがある。こうした点は退職者にとって大きな懸念材料だ。

 それでもフィリピンには多様な選択肢がある。
治安が比較的良く物価の安いダバオ市、国際空港や医療施設が整うセブ、涼しい気候で避暑地として人気のバギオ市、教育水準が高く落ち着いた生活環境を提供するイロイロ市など、地域ごとに特色が際立つ。首都圏近郊ではタガイタイが静かな環境と都市の利便性を兼ね備え、退職者に人気が高い。

 調査結果は、フィリピンが「生活費・ビザ・英語環境」という三つの柱で国際的に競争力を持つことを示している。医療面の課題は残るものの、アジアで最高得点を得た事実は、同国が退職者にとって魅力的な選択肢であることを裏付ける。温暖な気候と人々の親しみやすさも加わり、フィリピンは今後さらに多くの退職者を惹きつける可能性が高い。
【編集:EULA】
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