【その他の写真:左の人の右手には、大同江ビール。ビールは一般の北朝鮮市民には高嶺の花とも言われる。(撮影:中野鷹・平壌)】
その理由は、元々イギリスで倒産したビール工場を買い取って北朝鮮へ醸造施設を丸ごと移築した、イギリスビールが元になっているからだ。そのためヨーロッパ人好みの濃いビールとなっておりヨーロッパでの評価が高くなるのも当然といえる。
大同江ビールは、故金正日総書記の号令で2001年から工場建築が始まり、翌2002年4月から生産を開始している。現在では、中国へ輸出されているので、中国でも飲むことができるが、中国へ輸出される前には現在では絶対に有り得ない、韓国へ輸出されていたから驚く。親北政権だった金大中・盧武鉉政権の時代のことだ。記者は、2007年に韓国土産としてもらったのが当時韓国で売られていた大同江ビールだった(現在、韓国での販売はされていない)。
大同江ビールには、白や黒など色の異なる種類やアルコール度数の違う複数の兄弟銘柄が存在する。さらに昨年には従来の瓶ビール、生ビールに加え缶ビールも登場するなどその種類を増やしている。
近年、中国へ輸出されるようになり北朝鮮レストランのメニューに登場し、丹東や瀋陽など北朝鮮人が多く行き交う都市などでも売られている。
ちなみに平壌のレストランで外国人が大瓶の大同江ビールを注文すると約165円ほどで飲めるが、中国の北朝鮮レストランで注文すると約490円ほどと同じ量の青島ビールと比べて3倍ほどする高級ビールとなっている。
【執筆:中野 鷹】