感染した人の約9割は自然にウイルスが消失。ごく一部ががんに
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルスの感染によるもの。セックスで感染するので、性体験のある女性の約8割は、生涯に一度はヒトパピローマウイルス(HPV)に感染します。つまり、ほとんどの女性が子宮頸がんになるリスクを持っているのです。
ただし、ウイルスに感染しても約9割は免疫力によって排除され、消失します。まれに免疫力の低下や喫煙などの刺激で感染状態が長引くと、子宮頸がんの前段階である「異形成」になることがあります。この割合は、感染した人の約1割です。
前がん状態(異形成)から子宮頸がん発症までは10数年かかる
異形成とは、ヒトパピローマウイルスに持続的に感染した細胞が変化した、がんの一歩手前の「前がん状態」のことです。この段階で発見し、治療を行えばがんにはなりません。
異形成はがんではありませんが、放置しておくとまれにがんになる可能性があります。一般的に、感染からがんになるまでは数年、「前がん状態(異形成)」から子宮頸がん発症まで10数年かかります。
子宮頸がん検診の目的は、前がん状態(異形成)の発見
子宮頸がん検診の目的は、この「前がん状態(異形成)」を見つけることです。通常、がん検診といえばがんの早期発見を意味しますが、子宮頸がん検診だけは、がんの予防を意図します。
子宮頸がんになった人の約75%が、がん検診を受けていないといわれています。ヒトパピローマウイルスには、性行為の相手、回数、期間、人数にかかわらず、誰もが何度でも感染します。パートナーができたら、それを機会に検診を受けましょう。