一緒に歩いた帰り道、雨宿りしたバス停、ふざけ合ったクラスメイトたち――。すべての瞬間が愛おしく、毎日が特別だった"あの頃"が、甘くほろ苦い想い出とともに鮮明によみがえる。
2025年2月に韓国で公開された映画『You Are The Apple of My Eye』(英題)が、日本では『あの夏、僕たちが好きだったソナへ』の邦題で、8月8日より全国公開中。10代後半のかけがえのない青春時代の"何気ない日常"の中にある喜びや切なさとともに描いた本作は、大人になった今だからこそ沁みる"記憶の贈り物"だ。
チョ・ヨンミョン監督の長編デビュー作となる本作では、2000年代初頭の空気感を細やかに再現。まるで卒業アルバムをめくるような映像のなかで、主人公・ジヌの目線を通して、初恋や友情、淡い痛みと成長の物語が丁寧に紡がれていく。
ジヌを演じるのは、俳優・アーティストとして多方面で活躍するジニョン。ヒロイン・ソナを演じるのは、グローバルグループ・TWICEのメンバーであり、本作が映画初主演となるダヒョン。2人が織りなす青春のきらめきと切なさが、観る者の心に静かに沁みわたる。
今回はジニョンに、本作への思い、ダヒョンとの共演エピソード、そして日本のファンへのメッセージを聞いた。

(C)2025 STUDIO TAKE CO., Ltd. & JAYURO PICTURES CO., Ltd.
――脚本を読んだ時の第一印象を教えてください
「もともとこの原作映画が大好きだったんです。5回ぐらい観たことがあって、すごくよく知っている作品だったので、最初にリメイクのお話をいただいたときは、『私に演じられるかな?演じてもいいのかな?』と迷いもありました。でも、それくらい好きな作品だったからこそ、出演することを決めました」
――共演されたダヒョンさんの印象的だったエピソードがあれば教えてください
「今でもずっと思い返されるのは、ダヒョンさんが嗚咽するシーンです。とても難しい感情のシーンだったので、私自身も心配していましたし、ダヒョンさんもすごく不安を感じていたと思います。
――その涙は、テストの段階から出ていたのですか?それとも本番で一気に感情が出たのでしょうか?
「本番のときに、ものすごく泣いていました。そのシーンでは涙があふれすぎて、セリフを続けられないほどだったんです。ずっと涙が止まらない状態だったのですが、私はできる限りそのダヒョンさんの感情を受け止めながら、落ち着くのを待っていました。でも、その分感情が最もよく表現されていたのは、そのシーンだったと思います」

(C)2025 STUDIO TAKE CO., Ltd. & JAYURO PICTURES CO., Ltd.
――撮影の中で心の残ったシーンやセリフがあれば教えてください
「後半のとあるセリフで、『俺はこれからも幼稚でいる』という言葉があるんですけれども、これが本作、そしてジヌという人物を一言で表していると思いました。子供っぽさを残している彼が、最後に感じた痛みを、このセリフがうまく昇華してくれている気がして。そういう意味でも、このセリフがとても好きです」
――映画の中では"初恋"や"別れ"といった感情が丁寧に描かれていますが、今回の作品を通して「愛」について新たに考えたことがあれば教えてください
「私がすごく強く感じたのは、子供の頃の初恋の思い出や、これまで忘れていたり、忘れかけていた記憶が、この作品を通してよみがえってきたことです。それで映画を観ながら改めて感じたのは、"今この瞬間を大切にして、感謝しながら生きていこう"、そして"悔いのないように生きていこう"ということでした」
――主題歌の「You Are the Apple of My Eye」は、ダヒョンさんと作詞作曲をされたとのことですが、どのように楽曲制作していきましたか?
「最初から2人で一緒に曲作りをしました。メロディーも歌詞もアイデアを出し合いながら、1つ1つを最初から最後まで組み立てていくように、一緒に作っていきました」

(C)2025 STUDIO TAKE CO., Ltd. & JAYURO PICTURES CO., Ltd.
――最後に、日本のファンの皆さんへメッセージをお願いします
「この映画は、思い出や郷愁を呼び起こす作品でもあると思います。また、同時にいろいろな教訓やメッセージを与えてくれる作品でもあると思います。
文=HOMINIS編集部
映画情報
あの夏、僕たちが好きだったソナへ
2025年8月8日(金)より公開中