全国フジテレビ系"ノイタミナ"にて放送中のTVアニメ『謎解きはディナーのあとで』。「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本本屋大賞」大賞に輝き、シリーズ累計500万部を突破した東川篤哉の同名小説が原作。
花澤にインタビューを行い、麗子についてや撮影エピソード、共演の宮野真守や梶裕貴について語ってもらった。
――原作『謎解きはディナーのあとで』は、ドラマ化もされている人気小説ですが、どんな印象を持たれましたか?
「私、小説は読むんですけど、ミステリーとかSFのような、すごく頭を使って読むジャンルの作品は、あまり触れてこなかったんです。でも、『謎解きはディナーのあとで』を読んだとき、すごく読みやすいと思ったんです。たぶんそれは、宝生麗子や影山や風祭京一郎といった登場人物たちが、すごく面白い人たちだったからなんだと思います。それに麗子って、華やかな世界にいるけど、身近に感じられる人間らしさもあるじゃないですか。悪態をついているのも面白いですし(笑)。だから、本当にいろいろな人に楽しんでもらえる作品だなぁと思いました」
――アニメのキャラクターデザインを見たときの印象をお聞かせください
「アニメになると聞いたとき、どんなキャラクターデザインになるんだろうって気になっていたんです。増原(光幸)監督とは、『こばと。』という作品で初めてご一緒させていただいていて、そのときのギャグ描写が大好きだったんですね。だからこのデザインはぴったりだと思ったし、キャラクターの表情集も資料に載っていたので、それを見ながら、麗子ちゃんはなんて可愛いんだろうって思っていました。キャラデザは、オーディションのタイミングで見たんですけど、見た段階で素敵だなと思いましたし、影山もすごく素敵でカッコいいですよね!」

(C)東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会
――花澤さんが演じている麗子について教えてください
「すごくいい子なんです。
――セリフは多いですよね
「よく喋るんですよね。麗子ちゃん視点で物語が進むし、推理も、一応麗子ちゃんがしていくので。あと、テンションの上下も激しく、それがパッパッパと切り替わっていくんです。事件の後でしんみりしているところから、急に風祭警部が出てきてめちゃくちゃになったりするから、場面転換が激しすぎて、麗子ちゃんの情緒がおかしくなっちゃうというか(笑)。だから演じるのは大変でしたし、アフレコ後は、結構ヘトヘトになっていたと思います」
――楽しいを通り越して、疲れてしまったんですね
「とても楽しかったんですけど、風祭警部役の宮野真守さんが仕掛けに仕掛けてくるんですよ。それにリアルタイムで対応していくんですけど、そこから生まれるものもあったので、面白かったです」
――演じる上で意識していたことはありますか?
「ちょっと毒があるけど、ジメジメしていないところ。あとは彼女から光を感じるんですよね。ポジティブだし、とっても明るいし、自分に自信を持っているところが素敵なところなので、その2つは意識していました」
――先程の、仕掛けに仕掛けてくるというのはアドリブということだと思うのですが、アドリブが多い現場だったのですか?
「アドリブを入れるのは主に宮野さんで、私と梶裕貴くんは台本通りに物語を進めていっているんです。風祭警部は、一番動ける余白がある人でもあるので、宮野さんが急にアドリブを入れてきたりしたときに、笑わずに対応しなければいけないのがとても難しかったです。特にアニメの風祭警部って、無駄な動きがめちゃくちゃ多いんですよ(笑)。

(C)東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会
――逆に、影山との掛け合いはいかがでしたか?
「梶くんも、影山みたいな役をあまりやっていない気がするんです。それに影山って、たぶん読者それぞれの中に影山の脳内再生があると思うんですね。それは監督の中にもあって、そこに近づけていく作業を第1話でしっかりやられている印象がありました。ぼそぼそ喋るんだけど、嫌味を響かせないといけないところがあって、その塩梅が難しいだろうなと思いながら見ていました。でも、爽やかに嫌味をいうところがとっても良いですよね...」
――その嫌味を麗子は受けているわけなので、花澤さん的にはグサグサきている感じだったのでしょうか?
「それを溜めて溜めて怒りを爆発させるのが麗子ちゃんなので、だから私も溜めてましたね。弾をこめるみたいな感じで受け止めていました(笑)」

(C)東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会
――宮野さんと梶さんとは共演も多いと思うのですが、役者として、お二人のすごさをどんなところに感じますか?
「梶くんは、ここにきて新しい役に挑戦しているところはすごいと思いますし、影山の場合は、かなり尺がタイトな中で推理を入れていかないといけないんです。しかもぼそぼそ喋っているので、息が持たない中でそれをやらなければいけないんですね。それって自分で想定してみると、ものすごく大変なことをやっているんです。それをさらっとやっているところを見ると、技術がすごいなと思います
宮野さんは、風祭警部=宮野さんなんじゃないかと思わせるようなキャラへの入り込み方が、本当に素晴らしいと思います。どういう風にセリフを言うんだろうというワクワク感があるし、そういう期待をさせてくれるところがエンターテイナーだなって思います」
――いまだに新鮮な刺激をもらうことができるお二人なのですね
「本当にそうですね。ふたりともずっと進化を続けてらっしゃるので、負けてられんな!と思います(笑)」
――影山も風祭警部、すごく個性的なキャラクターですけど、花澤さんとしては、どちらが気になりますか?
「あの、私、メガネが大好きなんですよ...。

(C)東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会
――最初に、ミステリー作品にあまり触れてこなかったという話でしたが、それでも印象に残っているミステリー作品はありますか?
「小学生の頃は、それこそ『怪人二十面相』や『オペラ座の怪人』といった本は、図書館で夢中になって読んでいた記憶があります。声優になって、自分で謎解きをしていくという意味では、『レイトン ミステリー探偵社~カトリーのナゾトキファイル~』で、カトリー役を演じていたので、それは印象に残っています。いろいろな事件を解決していたので、謎解きができている気持ちになって、「すげー! 私、頭いい!」みたいな錯覚に陥っていましたね(笑)。案の定、『謎解きはディナーのあとで』では、全然謎解きができてないんですけど...」
――では最後に、アニメの放送を楽しみにしている方に、メッセージをお願いします
「この作品はドラマ化もされていたので、知っている方もたくさんいらっしゃると思うんです。ただ、小説ともドラマとも違う作品になっているので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。アニメーションならではの魅力というか、先程も言いましたけど、風祭警部の無駄な動きとか、コロコロ変わる表情は、見ているだけでも楽しいと思います。原作の東川篤哉先生は、とても普遍的なことを扱っていたりするので、どの世代の人も楽しめるものになっていると思います。増原監督も気合いを入れて、すごく面白く作ってくださっていて、ミステリーとは言いつつ、ギャグ要素も強めなので、あまり気張らずに見てください」

(C)東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会
文=HOMINIS編集部
放送情報
アニメ『謎解きはディナーのあとで』
全国フジテレビ系“ノイタミナ”にて毎週金曜23時30分から放送中