日本でオープンカー市場が活性化している。昨年モデルチェンジしたダイハツ・コペン、今年久々に復活したホンダのSシリーズ、S660、そしてオープンスポーツカーの歴史を連綿とつむぐマツダ・ロードスターのフルモデルチェンジ。

今回はセカンドカーとして購入するにはどれがあなたに合っているのか、解説してみたい。

ダイハツ・コペン

S660・コペン・ロードスター・・・セカンドカーにするならど...の画像はこちら >>

軽自動車のオープンカーとして、ホンダ・ビート、スズキ・カプチーノなきあと、コペンは2002年にデビュー、10年間生産された。2014年に新モデルが登場、電動ハードトップを継承しつつ、着せ替えが可能な樹脂外板パネルや、念入りに作られたボディにより楽しみも走りもグレードアップ。

特筆すべきなのはやはり20秒で開閉可能な電動ハードトップ。閉めれば普通の屋根付き自動車と変わらない快適性と静粛性をもち、幌にありがちな耐久性の悪さや手入れの面倒さも皆無だ。またトランクスペースの広さも嬉しく、ハードトップを閉めた状態であればゴルフバックが入ったり、2名用のキャンプ道具も楽々収まるほどだ。

オープンにしても手荷物を入れるスペースは残される。

駆動方式はFF(フロントエンジン・フロント駆動)。

COPEN|Brand&Fan Community

S660・コペン・ロードスター・・・セカンドカーにするならどれを選ぶべきか?
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ホンダS660

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そのデザインから先代ビートを彷彿とさせる、ひさびさのホンダ・オープンカー。

しかし名前がビートからS660(エスロクロクマル)に変わり、コンセプトも「ゆるいスポーツ(ゆるスポ)」ではなく「ガチスポ」に路線変更。

走りのためなら利便性を捨てても構わないとばかりに、オープントップは手で脱着、巻き取ってフロントトランクに収納する「ロールトップ」を採用。幌をしまった状態ではトランク容量ゼロ、2名乗車の場合手荷物を置くスペースは膝の上しかないという、男気溢れる仕様となった。

駆動方式はMR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)。

S660│Honda

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マツダ・ロードスター

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1989年のデビューから26年間、間断なく作られている、老舗オープンカー。最新のND型では原点回帰、小型軽量化が計られ初代を彷彿とさせる軽い身のこなしが売りだ。

熟成された手動オープントップ構造は座ったままワンタッチで開閉が可能。ロック機構は中央に1つのみとなり、外してパタッと後ろに倒せばオープンへ、逆に後ろから前にもっていきロックをとめればクローズへ、まさしく数秒で変身できる。

駆動方式はFR(フロントエンジン・リア駆動)。

【MAZDA】ロードスター – SKYACTIV TECHNOLOGY搭載車

四季を楽しめる日本のオープンカー

普段家族用にミニバンやセダン、ワゴンを乗っている方であれば、オープンカーに求めるのはそれでしか味わえない非日常性であろう。また軽量コンパクトなスポーツカー、軽自動車は燃費の面でも有利で、通勤に使うのも一つの手だ。

初夏や秋、爽快な青空の中、ドライブに行くのはもっとも楽しいが、実は他にも楽しめる場面がある。

ひとつは夏の夜景ドライブである。暑い夏の日差しの中、屋根をあけるのは熱風と合わせて苦痛であるが、夜であれば問題にならない。夕涼みがてら、海岸へドライブするのは楽しい。

S660・コペン・ロードスター・・・セカンドカーにするならどれを選ぶべきか?

そして真冬のドライブ、これも見逃せない。キンと冷えた澄んだ空気の中、ヒーターを全開にすれば足元から腰回りまで温められ、まるで露天風呂に入っているような爽快な気持ちになれる。シートヒーター付きモデルであれば、なおさら快適だ。ただし経験上頭頂部が冷え過ぎるため、ニットの帽子は被った方がよいだろう。

日本のオープンカーは四季に合わせてマルチに対応できるよう、きちんと作られているのでその点で安心である。

奥様と一緒に使うのなら

セカンドカーを買う場合、家族の理解を得るのが大変だ。

色々な理論武装、説得材料が必要となる。

コペンは低すぎない着座位置で乗り降りもしやすく、身長が低い女性であってもベストポジションがとれるために共用するにも最適だ。ハードトップで耐候性が高く、青空駐車であっても問題ない。女性は髪型が崩れる、日焼けすることを嫌いクローズ状態で乗ることが多いが、その場合広いトランクルームは買い物にも最適となる。

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コペンは現在 Robe(ローブ)、XPLAY(エクスプレイ)のボディタイプを用意しているが、第3のモデルとして丸目モデルの予約受付を開始している。丸目モデルは女性受けがよく、奥様にも気に入ってもらえるに違いない。

背の低い奥様と共用するならコペンのCVTモデルをオススメしたい。

おひとり様には

嫁もいらない、家もいらない。車が好きだ。

そんな硬派なクルマ好きにオススメしたいのはS660だ。トランクが実質上なく、手荷物は助手席に置くことになる S660は一人乗りといっても過言ではない。

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ミッドシップにおかれたエンジンの騒音も、後ろから巻き込んでくるエンジンの熱風も、すべて走りのため。突然の雨に打たれながら、数分かけて屋根をつけるのもまた一興と楽しめる人にS660は向いているだろう。

3ペダルで自在にエンジンを操る S660 MTモデルをオススメしたい。

やっぱりファーストカーとして

セカンドカーを持つには至らない、1台でなんとかしたいという向きにはロードスターだ。

1,500cc SKYACTIVエンジン搭載で燃費もよく、お財布に優しい。結婚を前提におつきあいしている彼女がいたり新婚さんであっても、買い物やドライブ、小旅行に十分対応できるトランクルームを備える。

「子供が生まれるまでの期間限定でいいから!」

と泣き落としをかけるのならロードスターである。

(余談だが、そういって筆者はホンダS2000を購入し、その後13年も所有し続けている。一度買ってしまえばこっちのものである)

S660計画的乗り換えのススメ

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実はこの3モデル、人気が高く納期が問題だ。特にホンダS660は納車が来年になると言われ、かなり待つことになる。

そこで検討したいのが、計画的乗り換えである。

納期の短いモデルを購入、S660の予約をいれておき乗り換えするという方法だ。幸いどれも人気が高いモデルなので、値落ちは最小限で済む。毎月レンタカーすることを考えれば安いものだろう。

乗っているうちに気に入って予約をキャンセル、乗り続けるのも一つのオプションとして残せるのも良い点だ。

ボディカバーのススメ

幌をもつロードスター、S660で青空駐車の場合、ボディカバーの装着をオススメしたい。というのも幌は直射日光の紫外線や降雨、温度変化などで劣化が急激に進むためである。たった一枚のボディカバーであるが、あるとないとでは大違い。

脱着が面倒、擦りキズが付くのではないかという心配もあるが、裏起毛で脱着が簡単なモデルがあるのでそこまで気にしなくてもよい。またイタズラ対策、防犯効果も高い点は見逃せない。オープンカーに乗るひとつの儀式として、ボディカバーの脱着をとり入れてほしい。

参考:ボディカバー・車体カバーの老舗 仲林工業 ~お客さまの状況や愛車の保管環境に応じたボディカバーをオーダーメイド~

必ず試乗して確認を

オープンカーはミニバンやコンパクトカーなどの大衆車と違い、それぞれが強い個性をもっている。使い勝手はもちろん、乗り味やエンジンサウンドまで大きく異なる。ATモデルとMTモデルでも性格が異なることも多い。

特に身長が高い、180cm以上の方は要注意である。足元も、ヘッドルームも足りなくなる恐れがある。自分に合ったモデルはどれか、じっくりと試乗して吟味してほしい。

一人でも多くの人がオープンカーを楽しめますように。

(野間 恒毅)