ラスベガスで開催中のCES(家電見本市)では、自動車にまつわる様々な新技術が発表されている。その中でピックアップしたいのが、BMWが開発した「i8 ミラーレス」だ。
その理由は、今年6月を目処に自動車などに備わる「すべてのミラーをカメラとモニターで代用する」ことが法規上で認められるから。つまり、ミラーレスの自動車が公道で走れるようになる。
この法規改定の主眼は、ドライバーが視認しにくいブラインドスポットを映像でカバーして事故を未然に防ぐことだが、カーデザインの未来にも大きな変化をもたらすことになりそうだ。
「i8 ミラーレス」では、ドアミラーとルームミラーの代わりに3台のカメラを装着。映し出された映像は、ルームミラーの代わりに配されたディスプレイ内で統合して表示されることになる。

システムはカメラの映像を評価し、例えば黄色の警告マークでアラートを出すなど、差し迫った危険に対してはその状況に応じて反応するという。もちろん、カメラやディスプレイのプリセット作業(ミラー調節に該当)も不要だ。

ミラーレス化が認められることで、各メーカーのデザイナーはひそかにほくそ笑んでいるかもしれない。そう、カーデザインの自由度が広がるからだ。

カメラの高性能化・小型化がさらに進めば、斬新な発想も生まれてくる可能性もある。その一方では、ゲリラ豪雨や大雪といった悪天候時の性能確保や、故障時の対策が求められるのも確かだろう。

ドライバーの違和感を最小限にする必要上、現在のところは従来のドアミラーやルームミラーとほぼ同じ位置にカメラを装着することになるものの、その規制も緩和される日がくるとしたら、カーデザインはさらに大きく変わることになるだろう。

いずれにしても、これまではコンセプトカーでしか見られなかったような「ミラーレス・カー」が、すぐそこにある未来で走りだすのだ。
(zlatan)
写真:BMWジャパン







