アメリカとの国交正常化で益々脚光を浴びているキューバが熱い。街を行き交うクラシックカー、時代が止まったままの建築物、美しいビーチに、感動的なサンセット、そしてゆったりと流れる独特のキューバタイム。
どれも魅力ではあるが、もう一つ忘れてはいけない人物がいる。文豪のヘミングウェイである。彼はキューバを愛し、人生の3分の1である22年間もの間をキューバで過ごす。彼がどれほどキューバを愛していたかは、作品のあちこちに散りばめられたキューバの景色からも感じ取れるだろう。ほとんどの作品をキューバで書いたヘミングウェイ。あちこちに彼の愛した場所があるが、特にハバナでは彼が足しげく通った店がいくつかある。
その中の一つがラ・ボデギータ・デル・メディオ(La Bodeguita del Medio)である。
かの有名な 『我がモヒートはボデギータにて、我がダイキリはフロリディータにて』という言葉を残した店として有名で、世界中から多くの観光客が訪れる。各国のVIPは勿論、日本からも多くの著名人が訪れている。
その人気は店内に入れば一目瞭然。店内には多くの著名人の写真が貼られ、壁にはぎっしりとメッセージが書き込まれている。
モヒートが有名なお店であるが、料理を楽しめるのも人気の理由であろう。ボリュームある料理が多く、キューバン料理を存分に楽しめる。食事を楽しんでいるとどこからともなくミュージシャン達が店内に登場し、サルサミュージックのライブ演奏が始まった。陽気なリズムに合わせ、ヘミングウェイがハバナNo.1に選んだモヒートで喉の渇きを潤しながら、異国の料理を頂戴する。なんと贅沢な時間だろう。
存分に楽しんだ後は入口にあるバーで再びモヒートを楽しみ、再び余韻に浸る。レストランとはまた違う雰囲気がここでは楽しめるのだ。今度は多くの訪問客とサルサのリズムに合わせてモヒートを楽しむ番だ。言葉なんて要らない。
ヘミングウェイを魅了し、今でも多くの人を惹きつけるボデギータ。