iOS/Androidアプリ『Fate/Grand Order』が盛り上がりまくっている今日この頃。年末に第2部の前に第1部を振り返るという短期連載を行っていたのですが、今回は「『FGO』第2部の前にストーリーを振り返ろう~第六特異点キャメロットの巻~【特集】」で語りきれなかった、アーサー王と円卓の騎士について特集します。
『FGO』や小冊子「Garden of Avalon」のネタバレがありますので、ご注意ください。

※『Fate/Grand Order』のネタバレにご注意ください。
※ 書かれているのはあくまでも一個人の推察と解釈です。

◆『FGO』および『Fate』でのアーサー王と円卓の騎士
『Fate』の顔とも言えるアーサー王もといアルトリア・ペンドラゴンですが、初出はもちろん『Fate/stay night』。現実ではアーサー王という存在は「ブリタニア列王史」から派生した創作の物語ですが、『Fate』世界では実際にあった出来事として書かれています。

アルトリアは王として10年勤めており、実際のアーサー王伝説と比べるとかなり短め。
「Garden of Avalon」(以下、「GoA」)などに記載されていることから年齢を計算すると、30は超えていると思われます。見た目が若いのは、聖剣の力により肉体年齢が15歳で止まっているためです。男装をしていたことについては、マイルームのボイスで「王権は男性のもの」だったからと語っていますね。

他の円卓の騎士については、『Fate/stay night』で名前が出たのはマーリンとベディヴィエール。『Fate/Zero』でランスロット、『Fate/EXTRA』でガウェインが登場。トリスタンとケイは『Fate/hollow ataraxia』で初めて言及されました。
6章ではおおよそフルメンバーと思われる名前が出ましたので、五十音順で下記にまとめます。

・アグラヴェイン
・アルトリア・ペンドラゴン
・ガウェイン
・ガヘリス(第六席)
・ガレス
・ギャラハッド(第十三席)
※モードレッドがマキリの発言で「円卓の騎士の十三人目」と言われているが、十三席かは不明
・ケイ(第三席)
・トリスタン
・パーシヴァル(第二席)
・パロミデス(第九席)
・ベディヴィエール(アグラヴェインの次席?)
・ペリノア王(顧問監督官)
・ボールス(次期第十一席)
・マーリン
・ランスロット

アーサー王は「GoA」の記述から円卓の席に座っている一人としてカウントしています。マーリンは円卓の席に着いたか不明ですが、それを抜いても14人。これは空いた席を補充したからだと思われます。第六章でモードレッドがベディヴィエールに対し「アグラヴェインが早死にしなけりゃあ」と話していることから、アグラヴェインの席にベディヴィエールが座ったともとれます。ボールスの「次期」という言葉もあるので、十一席は今出ているメンバー、あるいは他にいるのでしょう。


次のページは円卓の騎士についてさらに詳しく

◆円卓の騎士についてMOTTOMOTTO!

ここでは『FGO』で新たに書かれた円卓の騎士を中心に語っていきます。まずはトリスタン。『Fate/hollow ataraxia』で名前が初出、人柄についても「GoA」で少し書かれていました。「王は人の心がわからない」という発言を後悔しているのか、マイルームの台詞は反省会みたいですね。この発言が聖杯探索の前なので、上記のメンバーの中でも早い段階で円卓を抜けた騎士だと思われます。

ギャラハッドは「GoA」が初出で、『FGO』ではマシュと融合術式を行った召喚例第二号という重要なポジションです。
『Fate』世界でも聖杯を得て昇天しています。不吉である十三席に座った人物で、この時から既に天然キャラであることがうかがえるという……トリスタンもガウェインもその部類だと思われるので、円卓の空気が心配になりますね。そしてケイについては今でこそ色々なシリーズに出ており、アグラヴェインに次ぎ『FGO』に登場する可能性が高いのではと思っているので割愛。妹へのツンデレ具合がグッジョブな人なので、気になる方は「GoA」を聞いたり「ロードエルメロイII世の事件簿」を読んでみてくださいね。

アグラヴェイン、ガヘリス、ガレスは「GoA」で初出。ガウェインの下の兄弟であり、ガレスは女性のようです。
女性なのは、ガウェインのバレンタインでの「妹の為に」発言から分かります。どちらもランスロットに殺されていますが、ガレスはランスロットを敬愛していたようで……ガヘリスはあまり記述がなく、このままでは一番地味な兄弟になってしまいそうなので心配です。アグラヴェインは6章での描写が全てではと思いますのでこちらも割愛、実装が待たれますね。そういえば母親であるモルガンは、『Fate/Apocrypha』アニメで突然登場し、話題になりました。トリスタンの幕間の感じといい、今後また出てきそうな予感がします。

次に描写があるのがパーシヴァル。
「GoA」では誰よりもアーサー王を慕っていたと書いてある人物です。6章や円卓の騎士のマイルームボイスを見た後だと、これ以上慕っている騎士がいるのか……と思わなくもないですが。原典と同じく『Fate』世界でも聖杯探索にて命を落としています。そしてボールスですが、ガウェインのマイルームボイスなどを聞く限りやんちゃな感じがしますね。「Fate/EXTRA CCC Fox Tail」が初出で、ガウェインいわくシンジを見て思い出すような人物だそうですが……原典の方では聖杯探索に行ったりランスロット側についたりします。

そして意外だったパロミデスとペリノア王の二人。この二人に関しては名前しか出ていないのでどんな人物か不明ですが、パロミデスは原典でトリスタンの恋のライバルです。そしてペリノア王は、原典では最初の方にアーサー王を打ち負かすような人物で、後に円卓の騎士の一人になりました。しかしガウェインたちの父親であるロット王を殺した人物でもあり、最終的にはガウェインに暗殺されたり……。強さはピカイチですが、ちょっと素行に問題があるタイプですかね。どちらも『Fate』世界でどのような物語を紡いでいるのか気になります。

そういえば余談ですが、『Fate/zero』のマテリアルの総括対談では、円卓の騎士たちが「アーサー王燃え派」「アルトリアたん萌え派」で分かれているなんて話もありました。「アーサー燃え派」筆頭がランスロットで、モードレッドは「アーサー王を愛しているのは俺だけでいい派」とのこと……一体他の騎士たちは何派なのでしょうか。あと『Fate/hollow ataraxia』のミニゲーム「カプセルさーばんと」でJK姿のマスターアルトリアが登場するのですが、父親がガウェイン、長男ケイ、二男ランスロット、そして末弟がベディヴィエールとなっています。謎設定です。

◆キャスパリーグという獣
第1部の最後には、フォウことキャスパリーグがビーストIVであり、別世界でいうプライミッツ・マーダーであることが分かりました。ビーストといえば、今の所だいたい角があるという共通点があります。HP強化のフォウくんは耳が付いていますが、ATK強化のフォウくんはその部分が角になっているんですよね。あとCMで登場した時も角になっています。

そもそもキャスパリーグというのは、アーサー王の伝説に登場する大きな猫の怪物。第4章でモードレッドがフォウに対して「こいつどっかで見覚えあるな」と言ったり、セイバー・リリィの幕間でも「どこかで見覚えがあるような」と言われています。原典の通り倒されて、マーリンの使い魔になったということでしょうか?人間の競争、成長、妬みや悔しさを糧に「相手より強くなる」という特徴を持っているので、アーサー王の世界ではやはり怪物のようになっていたのかもしれません。ただ、このビーストクラスの怪物を倒す=グランドクラスの力を持つとも取れるので「ええい、円卓の騎士は化物か」と言わずにはいられません。

次のページはアルトリア・ペンドラゴンについて

◆『FGO』のアルトリア・ペンドラゴン
『FGO』世界でのアーサー王は今でこそたくさんいますが、メインストーリーではかなり特殊な立ち位置にいると思われます。まず特異点Fでセイバーオルタが何かを知っているような素振りを見せ、第四章ではランサーオルタとして登場。そして第六章では女神ロンゴミニアドとして登場しました。エリザベードに並ぶ出演率です。

特異点Fのアルトリアについては『FGO』第1部を改めて振り返ろう~特異点F・冬木の巻~【特集】でも書いたので割愛。第四章のランサーオルタについては、モードレッドの熱い語りがあり、ロンゴミニアドを持っている以外の情報が入らないまますぐに戦闘に入りました。「アーサー王を愛しているのは俺だけでいい派」なので仕方がない気もしますが、それだけ強い因縁がありながら戦闘が終わった後何も語られなかったのには少し違和感があります。終局特異点のニコラ・ステラいわく連鎖召喚されてきたようですが……冬木のセイバーオルタのように主人公の妨害をしにきたのではと思ってしまうのです。しかし、そう仮定すると、全てのアルトリアの意思が共有されているものなのではとも考えてしまい……英霊の座に戻った時に全てのアルトリアの体験が記録され共有されているのかもしれませんが、『FGO』には霊基などがある以上この辺りの設定は現時点では分かりかねる部分もあり、なんとも言えません。

そして第六章の獅子王こと女神ロンゴミニアド。こちらも気になる点はたくさんありますが、特異点Fのセイバーオルタ同様主人公たちのことを知っていたことは驚きでした。オジマンディアスや他の特異点のサーヴァントもそうだったとは思いますが、明確に「ロマニ・アーキマン」と通信の向こう側にいる人物の名前を呼んでいます。あと、女神ロンゴミニアドはベディヴィエールが聖剣を返さなかったことにより生まれた可能性の一つであり、現時点でもサーヴァント化はせず霊基一覧にも記録されていません。ただ、霊基一覧に同じようにサーヴァント化していないティアマト、ゲーティアなどが登録されている中、彼女が登録されていないのはちょっと気になる点です。

アーサー王の人物像については、『Fate/stay night』にて「騎士たちが各々に武勇を語る華やかな円卓でさえ、王が現れた瞬間に沈黙に変わっていた」と書かれていて、孤独な人物の印象でした。「GoA」ではさらにそのことについて深く書かれています。今でこそ円卓の騎士の顔が見えるようになり王を慕っている様子が分かりますが、当時はどうしてそうなってしまったんだろう?と不思議な気持ちに。「王は人の心が分からない」とは言いますが、「円卓の騎士は王の心が分からない」からこうなってしまったのかなとも思えます。

◆今後はどう展開する?
アーサー王と円卓の騎士は2部でもテーマになるのではないかと思っています。(と書いていたら、本当に第2部で円卓領域出てきちゃいました)第七章でのダ・ヴィンチちゃんの「ブリテン島にも関わりのある話だから、いつかテーマになる時も来るだろう」という言及もあったので、その辺りの話も出そうですね。モルガンはポジション的にも出そうな気がします。マテリアルでは、ベディヴィエールのページにガレスも書かれ、「『FGO』第2部の前にストーリーを振り返ろう~第六特異点キャメロットの巻~【特集】」で書いたルキウスも記載されています。

そして何よりも、アプリアイコンにも描かれているセイバーのアルトリア・ペンドラゴンが現時点でメインストーリーに絡んでいません。というか、絡んでほしい!という希望です。『Fate/stay night』から見るとどうやって英霊の座に登録されたかとかはありますが、『FGO』ならではの世界で聖剣を大いに振るってほしいなと。そしてアーサー・ペンドラゴンもいるので、二人が対面したら?なんて考えるとまた面白くもあります。今後の展開に期待を膨らませ、楽しみに待ちましょう。「【特集】今さら聞けない“アーサー王と円卓の騎士”―『FGO』『FF』などに影響を与えた物語」もぜひ読んでみてくださいね。

■過去の連載はこちら

●『FGO』一体どうなるの?全員怪しすぎて頭を抱える第2部を徹底推察【特集】

●『FGO』第2部の前にストーリーを振り返る~終局特異点の巻~【特集】

●『FGO』第2部の前にストーリーを振り返る~第七特異点バビロンの巻~【特集】

●『FGO』第2部の前にストーリーを振り返ろう~第六特異点キャメロットの巻~【特集】

●『FGO』第2部に向けて第1部を振り返る~第五特異点イ・プルーリバス・ウナムの巻~【特集】

●『FGO』第2部の前にストーリーを振り返ろう~第四特異点ロンドンの巻~【特集】

●『FGO』ネタバレ有りで振り返る第1部~第三特異点オケアノスの巻~【特集】

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