ママになりたての頃は、子どもがとるあらゆる行動が心配になりますよね。特に何かしら口に持って行きたがる赤ちゃんの習性にヒヤヒヤした経験はありませんか? なんでもかんでも迷わずペロペロ……。
筆者も、娘が赤ちゃん時代、朝はまず彼女の周りのオモチャを除菌するのが習慣でした。でも、オモチャにとどまらず何でも口に入れる現実を見て、すぐにやめてしまった過去があります。
「バイ菌が入ったらどうしよう…」「変なウイルスに感染したら…」と心配になるママは多いと思いますが、免疫学者で東京歯科医科大学の名誉教授・藤田紘一郎先生は赤ちゃんがいろいろなものを舐めるのにはちゃんとした理由があると仰っています。
そこで今回は、赤ちゃんがなんでも舐めたがるその真実について藤田先生著書の『マンガでわかる若返りの科学』を参考にお伝えしていきます。
■赤ちゃんが「なんでも舐めたがる」理由とは?
母親の胎内で無菌で育った赤ちゃんは、出産と同時にいきなり細菌類が多数存在する環境に身をおくことになります。『マンガでわかる若返りの化学』(藤田紘一郎著)によると、赤ちゃんは短期間のうちに免疫力をつけないと困るため、さまざまな物を口にしようとするということです。
なんとなく、赤ちゃんは何もわかっていないから、ただ舐めているだけ、と考えてしまいますが、生命体を維持するため、人間の本能がそのような行動を取らせているのですね!
■腸内環境とアレルギー疾患の関係
また同書では、腸内環境とアレルギー疾患についても取り上げています。スウェーデンにあるリンショーピング大学で、腸内細菌の多様性が大きいほどアレルギーを発症しないことが明らかにされました。
アトピー性皮膚炎の子ども20人と健康な子ども20人について、腸内細菌の種類を調査した結果、健康な子どもは生後一ヶ月時の腸内細菌と種類が多いことがわかったのです。
乳幼児期にいろいろな感染症に曝露される機会が減ったため、アレルギー疾患が増加した、という考え方を”衛生仮説”と言います。腸内がキレイ過ぎると、自分自身の抗体が作れなくなるのです。腸内に適度な細菌を入れることは、乳幼児期において、とても大切なことだと言えます。
■「ちょいワル菌」は赤ちゃんを強くする
先に述べてきたように、“ちょいワル菌”を体内に取り込むことは、赤ちゃんにとって重要な事。雑菌を口にいれると、体の中で抗体がつくられ、一度つくられた抗体は記憶され、体を守ってくれる。結果的に赤ちゃんを強くしてくれる、というわけです。
そう考えると、自分で手を伸ばし、いろんな物をなめるようになる頃には、哺乳瓶や乳首の消毒などは意味がないのかもしれません。赤ちゃんを守ろうと、神経質に菌から遠ざけ過ぎて、結果的に弱い体になってしまったら、本末転倒ですよね。
いかがでしたか?
もちろん、キケンな物を口にしていないか、目を光らせることは親の義務ですが、過ぎたるは及ばざるが如し。
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【参考】
※ 藤田紘一郎(2013)『マンガでわかる若返りの化学』(サイエンス・アイ新書)
【著者略歴】
※ tomoko・・・福岡在住のママ取材ライター。小学二年生の自由すぎる娘に翻弄されつつも、ライター・論文添削員として活動中。子育てに等に関することだけでなく、自分らしさを大切にするママに求められる情報を発信していきます。